Research Abstract |
本研究は,多自由度を持つメカトロニクス機器用の小型アクチュエータとして,マイクロプロセッサや各種マイクロセンサを実装,集積し,高度な制御機能や通信機能を持った「インテリジェントアクチュエータ」の設計技術,およびこれらを用いたシステム構築技術の確立を目標としている.(1)小型電磁モータと(2)小型空圧シリンダの2つのアクチュエータを具体的な試作研究対象として進めている. (1)については,昨年度までに開発したインテリジェントアクチュエータの基本設計をベースに,13リンクのへび型ロボット用,および30面体型アクティブ多面体用にそれぞれ,インテリジェントアクチュエータを設計し,上記ロボットおよび多面体に搭載して動作に成功した.このアクチュエータには,小型DCモータ,減速機,エンコーダ,トルクセンサ,モータドライバ,および,PWM,A/D,I2C,カウンタを内部に構築したマイクロチップを内蔵し,ホストコンピュータと通信を行いつつ,ローカルな力/位置サーボが実現できる.このインテリジェントアクチュエータにより,100自由度程度の多自由度メカトロニクスシステムが容易に構成できる見込みがたった. (2)については,昨年度までに考案し,その基礎動作をシミュレーションで確認した空圧信号重畳型バルブの機能確認モデルを試作し,供給高圧空気に空気振動を乗せることによって,バルブのオンオフ動作ができることを実験で示すことに成功した.また,本研究の応用対象として設定している空圧用に,伸張比250%,分解能0.169mmのインテリジェント空圧シリンダの開発に成功した.
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