2004 Fiscal Year Annual Research Report
ロボット用パワー超音波モータの非線形特性解析と制御
Project/Area Number |
16078213
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前野 隆司 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (20276413)
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Keywords | 超音波モータ / 振動計測 |
Research Abstract |
本研究では超音波モータの非線形性に焦点を当て,計測および数値計算を用いてその非線形動特性解析を行った. 計測においては,レーザ・ドップラ速度計を用いて超音波モータの起動・停止時における過渡応答を測定した.ステップ応答計測の結果,印加電圧の周波数がモータの共振周波数に近いほど,モータ回転数の行き過ぎ量は減少し,遅れ時間は増大することを確認した.また,数値解析のためのパラメータ決定を目的としてステータのみの周波数特性を測定し,その共振周波数の振幅依存性は微小であること,ステータを共振点近傍で駆動すると印加電圧とステータ振幅の間に非線形性が生じることを確認した. 次に,超音波モータの非線形性を考慮して,その動力学モデルを構築した.圧電素子およびステータを2次遅れ系で近似し,計測結果を考慮して非線形剛性を追加した.また,ロータ・ステータの接触部には離散的にばねおよびダンパを設置し,Coulomb摩擦モデルを導入することで固着・滑り現象を考慮して摩擦力を計算した.構築したモデルを用いて計測時と同様の条件で数値計算を行い,計測結果と比較した.計算結果は,モータの定常回転数および停止時間において計測結果とほぼ定量的に一致し,また起動時における遅れ時間および行き過ぎ量も計測結果と定性的な一致を示した.更に,構築したモデルを用いて超音波モータの動的な摩擦現象を解析した.この結果,モータの起動・停止時において接触部における摩擦力の分布が動的に変化する様子を明らかにし,接触部における動的な磨耗はロータの回転数とほぼ同様の傾向を示すことを明らかにした.
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Research Products
(3 results)