Research Abstract |
超音波モータは低速高トルク,高保持トルク,静粛などの特徴を持ち,ロボット用パワーアクチュエータとして適している。しかし,起動・停止時の過渡応答特性の計測やモデル化が十分に行われていなかったため,ロボットの高速制御用アクチュエータとしての実用化はいまだ発展途上にある。このため,本研究では,超音波モータの起動・停止時の過渡応答特性を精密計測するとともに,圧電変換・接触変換を含むモデルを作成することによって,超音波モータの特性を解析した。また,構築したモデルに基づき,超音波モータを20個用いた5指ロボットハンドの制御を行ない,超音波モータの高インピーダンス特性などの特徴を最大限に生かした新たなロボットへのアプリケーション例を示す。このために,直径10mmの小型超音波モータを用いたロボットハンドの2号機を試作した。自由度は1号機と同様20であり,質量は300gと軽量である。なお,1号機では,1指4自由度,5指合計20自由度となっていたが,本ハンドでは,中指の自由度を1自由度省略し,中指は内外転を行えない構造とする代わりに,拇指の自由度を5としてヒト本来の21自由度運動に近い動作生成が可能なような構造になっている。また,本ハンドでは,超音波モータ支持のためのシャフトのねじりを計測する構成の簡易トルクセンサを内蔵している。トルクセンサの分解能は0.032mNmである。今後は特性の評価を行うとともに,超音波モータの効率・耐久性・耐磨耗性候h状のための研究も行う予定である。
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