2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16079102
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内本 喜晴 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50193909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 夏子 産業技術総合研究所, 主任研究員 (30357082)
山地 克彦 産業技術総合研究所, 研究員 (60358249)
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Keywords | イオン結晶 / エネルギー効率化 / セラミックス / 燃料電池 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本研究の目標は、ヘテロ接触界面のイオン移動現象を支配する因子を明らかにし、ナノイオニクス現象の利用によるイオン移動速度を制御した高機能電極の構築とその設計指針を確立することである。 ある相と別の相とのヘテロ接触界面におけるイオン移動は、種々の電気化学デバイスを含む化学反応の反応場であり、その現象解明が極めて重要であるにも関わらず、これまでほとんど明らかとなっていない。このヘテロ接触界面でのイオン移動を支配するのは表面からわずか数十nmの表面相であり、測定手段が限られていたこと、また界面に特異的な現象を抽出するのが困難であったことが一因である。酸化物イオン伝導体/金属電極/気相の界面における酸素交換および固体内の酸素移動挙動において、酸素交換反応定数が、わずか1%の水蒸気の存在により、数十倍〜数百倍に増大する特異的な現象を見出した。これは、ヘテロ接触界面において、反応サイトが不均一であることにより発生した局所的分極により、反応中間種である表面ラジカルが安定化していることによると考えられる。この系をプローブとし、中温-高温領域での気相/固相の接触界面でのイオン移動現象の解明を行い、さらにそれを発展させ、飛躍的に電荷分離反応速度を向上させた高機能電極作製の指針を得ることを目指した。ガス中の化学種特定と濃度分析、および安定な吸着化学種の推定のため、四重極質量分析装置と、温度・気体分圧が精密制御できる閉鎖系からなる気相交換実験装置を構築し、電解質の構造の影響を調べるため、ペロブスカイト構造をもつ酸化物イオン伝導体/金属/気相界面の酸素移動挙動について、同位体交換と二次イオン質量分析法(現有)を用いて界面および酸化物内の酸素移動挙動における水蒸気の影響を検討した。
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