2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16079102
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内本 喜晴 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (50193909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨澤 浩史 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (90263136)
酒井 夏子 産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 主任研究員 (30357082)
山地 克彦 産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 研究員 (60358249)
堀田 照久 産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 主任研究員 (80357962)
中山 将伸 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手
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Keywords | 表面・界面物性 / エネルギー効率化 / セラミックス / イオン結晶 / 燃料電池 |
Research Abstract |
本研究の目標は、ヘテロ接触界面のイオン移動現象を支配する因子を明らかにし、ナノイオニクス現象の利用によるイオン移動速度を制御した高機能電極の構築とその設計指針を確立することである。イオン移動現象は、様々なプロセスの中で極めて意有用な位置を占めている。しかし、ある相と別の相とのヘテロ接触界面におけるイオン移動は、種々の電気化学デバイスを含む化学反応の反応場であり、その現象解明が極めて重要であるにも関わらず、これまでほとんど明らかとなっていない。昨年度までの研究において、酸化物イオン伝導体/金属電極/気相の界面における酸素交換および固体内の酸素移動挙動における、酸素交換反応定数が、白金等の金属電極のみならず、希土類3d遷移金属酸化物電極においても水蒸気分圧に大きく依存することを見出した。本年度はこの系をプローブとし、中温-高温領域での気相/固相の接触界面でのイオン移動現象のさらなる解明を行った。静電噴霧蒸着法を用いて、希土類3d遷移金属酸化物電極を作製した。薄膜作製用の基板を焼結により作製する必要があり、静水圧プレス機を購入した。放射光を用いた軟X線を用いて、遷移金属のL吸収端と酸素のK吸収端を測定し、コバルトの系においては、電荷移動において酸素の2p軌道の寄与が大きいこと、Mnの系においてはMn 3d軌道の寄与が大きいことを明らかとした。また、ナノオーダーの局所における解析を可能にするために、ナノXAFSの手法の導入を行った。さらに、高温における電気化学反応場のその場分析手法として、高温におけるXAFS測定を行った。ランタンコバルト系酸化物おけるコバルトの電子構造が電位とともに大きく変化することを初めて見出した。
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