2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16079102
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
内本 喜晴 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (50193909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福塚 友和 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教 (90332965)
岸本 治夫 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 研究員 (40415667)
雨澤 浩史 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (90263136)
嶺重 温 兵庫県立大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00285339)
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Keywords | 表面・界面物性 / 燃料電池 / エネルギー効率 / セラミックス / イオン結晶 |
Research Abstract |
本研究の目標は、ヘテロ接触界面のイオン移動現象を支配する因子を明らかにし、イオン移動速度を制御する方法を明らかにすることである。本年度は、K2NiF4構造を持つ混合導電性電極を対象にし、ヘテロ接触界面近傍におけるイオン移動現象に寄与する諸性質の寄与を検討した。特に、熱処理時の酸素分圧の変化に伴うバルクの欠陥構造、酸素不定比量の変化に着目し、電子・局所構造に及ぼす影響について検討した。さらに、昨年度に引き続き、電解質/電極ヘテロ接触界面におけるイオン移動現象を、直接的に評価することのできるin situ X線吸収分光(in situ XAFS)を用いた評価手法により、反応の律速過程を明らかにし、第3班山田グループとの共同で、エピタキシャル薄膜に対して深さ分解in situ XAFSを適用してnmオーダーの分解能でのヘテロ接触界面評価を行った。種々の酸素分圧でアニールしたLn2NiO4+δのXAFS測定を行った結果、酸素分圧が増大するにつれて格子間酸素が導入され、Niの価数が増加することが分かった。また酸素分圧の変化に対して導入される格子間酸素量はNd2NiO4+δの方が多いことを見出した。in-situ XAFS測定から、電極過電圧による酸素ポテンシャル変化が空気/電極の界面で急激に変化することを見出し、Nd2NiO4モデル電極における電極反応の律速過程が表面反応であることを明らかにした。深さ分解XAFS測定による電子構造の結果から、界面から薄膜表面に近づくにつれて格子間酸素量の増加あるいは酸素欠損の解消が起こり、局所構造の結果から、界面から薄膜表面に近づくにつれて構造の歪みが緩和され、バルクの性質に近づくことが分かった。以上より、電極と基板の不整合による構造歪みが電極-電解質界面において最も大きいことを明らかにした。
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Research Products
(27 results)