2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16079103
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日比野 高士 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 教授 (10238321)
|
Keywords | ナノ分極 / プロトン導電体 / 局所電池 / NOx還元 / 活性酸素 / PM燃焼 / 炭化水素燃焼 |
Research Abstract |
電気化学反応は通常の化学反応と異なり、(1)電位効果が期待できる、(2)電流で反応速度を制御できる等の利点を持つ。また、電気化学反応における還元剤と酸化剤を混合して供給することで、それらの反応を一つの電極上で局所的に進行させることも可能になる。この局所電池機構を使えば、(1)の利点をそのまま活かしつつ、(3)反応系から外部回路(場合によっては電源)が不要になる、(4)反応有効面積を数桁増やすことができる等の利点が加わる。これらは電気化学における一つの分極現象であり、従来の化学反応や触媒反応では期待できないような効果をもたらす可能性が高い。以上のことを実現するため、固体電解質に100-400℃で高いプロトン伝動を示すIn3+ドープSnP2O7(Sn0.9In0.1P2O7)を使用して、これまでにNOx選択還元反応を対象に取り組んできた。 本年度においては、新たな反応系として活性酸素による燃焼反応を対象として、パティキュレートマター(PM)センサの開発を念頭に置いた電気化学反応、及び三元触媒への適用を考えた局所電池反応それぞれの実証を行うとともに、それらの優位性を明確化した。具体的には、200℃の白金-カーボン作動極では、H2O→O^*+2H++2e-という酸化反応が起こっており、電位を約+1V以上に設定すると、反応がさらに進み、C+20^*→CO2に従ってカーボンが電流効率100%で燃焼した。また、電位を約+0.5Vに設定すると、今度はC3H8+60^*→3CO2+8H++8e-によってプロパンなどの炭化水素が同じく効率100%で燃焼した。また、以上のような活性酸素の高い酸化力、及び電位制御による高い選択性を利用して、PMセンサでは電極電位がカーボン量に対する良質なセンシング信号となり得ること、及び三元触媒では各種炭化水素を100-200℃程度で燃焼でき、しかも白金使用量の低減化も可能であることを実証した。
|