2006 Fiscal Year Annual Research Report
ドライプロセスによる高速イオン伝導性ナノイオニクス電解質の創製
Project/Area Number |
16079201
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
湯上 浩雄 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (60192803)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 伸一 群馬大学, 工学部, 助教授 (60219110)
|
Keywords | PLD法 / 固体イオニクス / ナノイオニクス / 固体電解質薄膜 / プロトン導電体 / BaZrO3 / リチウムイオン導電体 |
Research Abstract |
高温型燃料電池や全固体型リチウム二次電池など、様々な応用分野での活躍が期待される固体電解質材料は、実用化に向けて広く研究が行われているが、その多くがなお、イオン伝導性材料、電極材料の性能向上のためのブレークスルーを必要としている。本研究では、ドライプロセスを用いて、界面をナノスケールで制御したナノイオニクス歪人工格子多層膜材料の作製を行い、界面応力の導入などヘテロ物質の界面制御によるイオン導電特性の飛躍的向上を目指す。本年度は以下の研究を行った。 1.中低温領域において高いプロトン導電性を示すY添加BaZrO_3を用いて単層薄膜及びY添加BaZrO_3とMgOを交互に積層した多層膜を作製し、導電特性の評価を行った。Y添加BaZrO_3薄膜をMgO上に製膜すると格子ミスマッチや熱膨張率の差により界面近傍の構造が変調され界面近傍数10nmに高速イオン伝導層が出来るという平成17年度の結果を元に、BaZrO_3層、MgO層の厚さを変えて多層膜を作製し、導電特性を評価した結果、高温における安定性にかけるものの、最大で2桁程度の導電率の向上が見られた。 2.LiSiO_3アモルファス薄膜はバルクセラミックスと比較して1〜2桁程度高い導電率を示し、界面近傍数10nmに高速イオン伝導層が存在する事が示唆されている。今年度は従来のガラス基板からサファイア、水晶等の単結晶基板を用いて同様の薄膜を作製し、特性を評価した結果、導電率に基板依存性がある事が確認された。 3.代表的な酸素イオン導電体であるGd添加セリアの添加物濃度を変更した多層膜を作製し特性評価を行った。Gd濃度が50mol%という固溶限界を超えた濃度を持つ多層膜の作製には成功した。又、格子ミスマッチが26%と非常に大きいMgO基板上に作製したセリア薄膜は基板に対してマクロ的に一定の角度を持って成長している事が明らかとなった。
|
Research Products
(7 results)