2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノデザイン構造体を利用した高速イオン伝導体の創製
Project/Area Number |
16079202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河村 純一 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50142683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神嶋 修 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90321984)
前川 英己 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60238847)
桑田 直明 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (00396459)
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Keywords | 有機無機複合体 / 有機アンモニウム塩 / メソポーラスアルミナ / 柔粘性結晶 / リチウムイオン伝導体 / プロトン伝導体 / ナノ細孔 / NMR |
Research Abstract |
本グループでは、直径・鎖長・電荷などを制御した有機イオンの周りに無機物を配置した有機無機ナノ複合体を合成し、そのナノ構造とイオン伝導特性の関係を解明することを目的とする。 本年度は、(1)有機無機複合体とナノ分相ガラスの合成(2)メソ細孔アルミナ複合体の合成(3)それらの構造とイオンダイナミクス解析(4)ナノ構造形成機構の理論的解明を目標として掲げた。以下、代表的な成果を述べる。 (1)有機無機複合イオン伝導体ガラスでは、これまで、有機分子は直径10nm程度のクラスター構造の枠組みを作るのみで、イオン伝導には寄与しないと考えてきたが、本年度に実施した精密なイオン伝導度、NMR拡散係数の測定により、ナノクラスター領域では有機分子も回転・変形・拡散している事が見いだされ、動的なナノ構造へと視点を広げるべき事が分かった。 また、組成により半導体から超イオン導電体に急激に転移する銀カルコゲナイドガラスについて、精密な熱測定・X線回折・NMR・FE-SEM観察を行った。その結果、これまで分相しないとされていたAg-Ge-Se系についても明瞭なナノ分相構造をFE-SEM観察で見いだした。 (2)共重合超分子のミセルを鋳型として用いたゾル-ゲル合成法により、アルミナのナノチャンネル中に、高リチウムイオン伝導体であるLiZnI2を導入することに成功した。特に本年は高圧合成法を適用することで、充填度を高めることに成功した。 (3)Se-77核NMRによりAg-Ge-Seガラスの局所構造、Y-89核NMRによりYSZおよび酸化物プロトン導電体の局所構造の知見を得た。 (4)ガラス中でのナノ構造形成機構を検討するため、熱力学モデルと分子動力学計算(熊大・下條・安仁屋)で検討を進めている。
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Research Products
(5 results)