2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノデザイン構造体を利用した高速イオン伝導体の創製
Project/Area Number |
16079202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河村 純一 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (50142683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神嶋 修 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90321984)
前川 英己 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60238847)
桑田 直明 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (00396459)
武野 幸雄 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30126875)
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Keywords | 有機無機複合体 / リチウムイオン伝導体 / メソポーラスアルミナ / プロトン伝導体 / NMR |
Research Abstract |
本グループでは、有機分子と無機イオンとの自己組織化を利用して、サイズや形を制御したナノ構造イオン伝導体を作成し、そのナノ構造とイオン伝導特性の関係を解明することを目的とする。 本年度は、これまでに開発してきた、銀・リチウムイオン伝導性ナノ構造体のイオン伝導機構と伝導度解析の手法を理論的に解明すると共に、新たにプロトン電導性の有機無機複合体の合成を行い、イオン伝導度とNMR測定を中心に構造とイオンダイナミクスを研究し、ナノイオニクス効果の要因解明を進めた。 (1)銀・リチウム系の整理と理論検討 これまでの研究結果を整埋し、銀・リチウム系の複合体に共通に見られるナノ界面領域での伝導度エンハンス効果のメカニズムを検討した。その結果、界面層を考慮した三相有効媒質近似理論により、多くの実験結果が統一的に説明できる事を明らかにした。 (2)プロトン伝導性有機無機複合体の創製 有機アンモニウム塩とリン酸水素セシウムまたは硫酸水素セシウムとの複合体・化合物を合成し、そのプロトン伝導度を測定した。その結果、新たな有機無機複合プロトン導電体相への転移を見いだし、室温付近でも高いプロトン伝導を示す複合体を見いだした。 (3)蒸気圧制御NMRによるプロトン導電体の伝導機構解明 蒸気圧制御NMR装置を改良し、温度範囲を+150℃から-80℃まで拡張した。これを用いてブロトン電導性高分子膜とを対象に、拡散係数測定を行ない、電気伝導度との系統的比較を行った。 (4)NMRを用いたナノイオニクス物質の構造解析とイオンダイナミクス計測 他グループとの共同研究として、種々のプロトン伝導体、リチウムイオン伝導体、銀イオン伝導ナノ複合体などの高分解能NMR測定を行った。
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Research Products
(14 results)