2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16079205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 周 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10182437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辛 埴 東京大学, 物性研究所, 教授 (00162785)
樋口 透 東京理科大学, 理学部, 助手 (80328559)
尾山 由紀子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00345373)
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Keywords | ナノイオニクス / 固体イオニクス / 空間電荷層 / ショットキー障壁 / 軟X線分光法 / NEMCA / 電極反応 / 混成電位 |
Research Abstract |
本研究では,(金属・合金薄膜または酸化物)/(イオン伝導体または酸化物系電子(ホール)-イオン混合伝導体)から構成されるヘテロ界面上で電気化学反応によって形成されるラジカルによる高反応活性状熊であるNEMCA現象のナノス構造設計を目指したものであり,マクロな電気化学反応特性と先端電子分光を利用して観察した電子構造との相関を明らかにして,ヘテロ界面の新しい化学機能制御の概念であるナノイオニクス現象の基礎特性の解明と機能設計を目指している.本研究では,これまで本研究者らが用いてきた高エネルギー物理研究機構のシンクロトロン放射光施設に設置された軟X線吸収/発光分光法に加えて,新たに本年度東京理科大学に導入された逆光電子分光装置を利用して,種々の混合伝導体酸化物自由表面付近に形成される空間電荷層の解明,特に表面準位を決定する要因について検討を加えた.具体的には表面のフェルミ準位付近の電子構造,酸化物表面に形成した蒸着膜の電子構造解明を行った.具体的な測定対象はNbをドープしたSrTiO_3(n-STO),n-型伝導領域を有する希土類ドープCeO_2等の酸化物系混合伝導体である.前者では励起X線入射角を変化させたときの軟X線分光スペクトルの変化に着目し,深さ方向の電子構造変化を観察した.軟X線分光法では,(1)充分な精度で表面とバルクの電子構造の相違を観察できること,(2)フェルミ準位シフト測定による表面付近のバンドベンディングの観察が可能であることがわかった.(樋口,山口,辛)一方,酸化物(電子伝導体:Nd_<1-x>Ce_xCuO_4)/酸化物(イオン伝導体:Ce_<1-x>Nd_xO_<2-δ>)/金属(Au)ヘテロ接合非対称セルを用い,気相中のO_2およびNOxとの反応性を解析し,酸化物電極上におけるこれらの電極反応特性の評価を混成電位の概念で整理している.(尾山,山口)また,金属/酸化物界面の酸化物側に生じる空間電荷層の特性を古典的な方法であるフラットバンド測定と組み合わせるという新しい着想を得て,軟X線吸収分光法と逆光電子分光法によるその場同時観察の準備を行った.
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Research Products
(6 results)