2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノイオニクス組織の熱力学的・動力学的安定性と組織制御
Project/Area Number |
16079206
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 俊夫 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (20114895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 吉男 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00164351)
河村 憲一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50270830)
上田 光敏 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (90376939)
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Keywords | LaCrO_3 / kinetic demixing / 化学ポテンシャル分布 / イオン流束 / 発散 / ボイド生成 |
Research Abstract |
(1)化学ポテンシャル勾配下におけるイオン結晶の組織変化について,昨年度までで確立した2元系イオン結晶に対する取り扱いを,3元系へ拡張することを試みた.3元以上の系では化学ポテンシャル差の大きさによって,kinetic demixing とkeinetic decompositionの異なる現象が起こることが知られている.本年度はペロブスカイト構造を有するLaCrO_3の1695Kにおけるkinetic demixing領域での組織変化の予測を試みた.解析には構成イオンの拡散係数が化学ポテンシャルの関数として与えられていることが必要である.申請者らは既にLaCrO_3の構成イオンの拡散係数を化学ポテンシャルの関数として報告しているので,これを用いた.kinetic demixingの領域ではすべての陽イオンの拡散速度が等しいという拘束条件が存在する.イオン流束の発散を評価した結果,LaCrO_3を酸素ポテンシャル勾配下におくと,高酸素ポテンシャル側にボイドが優先的に発生することが示唆された. (2)酸素ポテンシャル勾配下において,イオン流束の発散によって新たな酸化物が生成することがよそくされる単結晶Ti02の組織変化を調べた.その結果,白金塗布の有無により異なる組織変化を起こすことを見出した.この原因を解明することが優先課題であり,次年度への引き継ぐ課題とした.
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Research Products
(12 results)