2005 Fiscal Year Annual Research Report
電子線ホログラフィによるヘテロ界面における内部電場形成過程のその場観察
Project/Area Number |
16079207
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹司 敬義 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90125609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 司 (財)ファインセラミックスセンター, 材料技術研究所, 主幹研究員 (50399599)
志村 哲生 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助手 (30273254)
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Keywords | 酸化物イオン伝導体 / 電子線ホログラフィ / レーザ蒸着装置 / 電圧導入加熱試料ホルダー |
Research Abstract |
本研究は,酸化物イオン伝導体をガス雰囲気中で電圧印加・加熱しながら、内部の電位分布を電子線ホログラフィにより観察して、ヘテロ接触界面近傍における空間電荷層や表面電荷物理現象を解明し,燃料電池等ナノイオニクスデバイスの開発に資することを目的としている。 今年度は,電圧導入加熱試料ホルダーの試作,レーザ蒸着装置の導入と、試作薄膜の電解質-電極界面の高分解能観察を行った。 本年度は、主の次の3点を目標にして研究を遂行した。 実験 1.レーザ蒸着装置の立ち上げと、作製した薄膜試料の電解質-電極界面の断面TEM観察。 2.試作した電圧導入加熱試料ホルダーの温度校正、耐電流・電圧試験。 3.バルクから作製したイオン伝導体薄片試料について、真空中での、高温かつ電圧印加状態における内部電位分布の電子線ホログラフィによる観察の可能性を探る。 方法と結果; 1.レーザ蒸着装置は光源にNd : YAGレ-ザ(λ=226nm-FH,120mJ,0.1-10Hz)を用い、到達真空度(メインチャンバー<5x10^<-7>Pa、ロードロックチャンバー<2x10-5Pa)基盤温度<1000℃、蒸着速度(YSZ:0.08nm/s,Pt:0.01nm/s)のものができた。作製した薄膜の断面をFig.1に示す。 2.試料ホルダー(Fig.2)の温度校正は、汎用真空装置内で、熱電対を用いて行った。測定結果をFig.3に示す。実際にTEMに搭載して、45パーマロイ強磁性薄膜のキュリー温度をローレンツ顕微鏡法で確認したところ、校正曲線と±20℃で一致し、また耐電圧・電流試験では、5A,200Vまでを確認した。 3.電位分布の観察には、試料を薄片化し、ヒータに取り付けた後、電圧を印加するため、試料のPt電極とホルダーの端子間をAuワイヤー(Φ=5μm)で接続しなければならない。この電極間の接続のための技術開発に苦労したが、最近ホルダーを改造する事により、ようやく成功の目途が付いてきた。
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