2004 Fiscal Year Annual Research Report
異種接合ナノ界面の特異ガス認識機能を用いた高性能センシングデバイスの構築
Project/Area Number |
16079208
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 則雄 九州大学, 産学連携センター, 教授 (70128099)
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Keywords | イオン導電体 / ガスセンサ / 異種接合界面 / 混成電位 / 複素インピーダンス / 安定化ジルコニア |
Research Abstract |
酸化物系イオン導電体/酸化物半導体などの異種接合界面を形成すれば、種々のガス種に対して複素インピーダンスや混成電位などを検出することにより、特異的な応答が達成でき、センサ特性の飛躍的な改善や作動条件の大幅な拡大ができる可能性がある。本研究では、検知極材料の特性評価・制御を行うことにより、特異ガス検知機能の発現メカニズムを明確にし、これまでにない優れた特異検知機能を発揮する高度ガスセンシングデバイスを設計・構築することを目的として研究を進め、本年度は以下のような成果を得た。 新規複素インピーダンス応答型センサとしてNOxセンサを提案・検討し、検知極材料としてスピネル系酸化物を用いれば、高濃度の二酸化炭素や水蒸気の存在下においても数十ppmのトータルNOx濃度の高感度測定が可能なことを見出した。本センサの特異検知特性発現メカニズムを、複素はインピーダンス解析や気相触媒活性測定などの結果より検討したところ、電極界面付近でNOx組成は導入ガス組成にかかわらず常に平衡に達しており、しかも異種接合ナノ界面における電極反応抵抗がNOxの存在により大きく減少するために、NOとNO_2に対して等しい感度が発現することが分かった。また、このタイプのセンサを用いて、高温での水蒸気の検出について検討したところ、検知極材料として特にIn_2O_3を用いたときに、900℃という高温においても良好な水蒸気応答特性を示すことがわかった。1Hzでの感度を調べたところ、約70ppmから約30,000ppmまで良好な直線関係が得られた。900℃という高音において、このような低濃度まで水蒸気濃度が測定可能なセンサはこれまでに報告がない。本センサの特異検知特性発現メカニズムを検討したところ、異種接合ナノ界面における電極反応速度が披検ガスの存在により高温においても改善されるために、ガス感度が発現するものと考えられる。
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