2005 Fiscal Year Annual Research Report
異種接合ナノ界面の特異ガス認識機能を用いた高性能センシングデバイスの構築
Project/Area Number |
16079208
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三浦 則雄 九州大学, 産学連携センター, 教授 (70128099)
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Keywords | イオン導電体 / NOxセンサ / 異種接合界面 / 混成電位 / 複素インピーダンス / 安定化ジルコニア |
Research Abstract |
酸化物系イオン導電体/酸化物半導体などの異種接合界面を形成すれば、種々のガス種に対して特異的な応答が達成でき、センサ特性の飛躍的な改善や作動条件の大幅な拡大ができる可能性がある。本研究では、検知極材料の特性評価・制御を行うことにより、特異ガス検知機能の発現メカニズムを明確にし、これまでにない優れた特異検知機能を発揮する高度ガスセンシングデバイスを設計・構築することを目的として研究を進め、本年度は以下のような成果を得た。 1 ヘテロ接合界面形成のための構成材料の選択・探索 検知極のベース材料としては、NiOを用いてナノ粒子を合成し、さらに特性を向上する目的で、BaO, La_2O_3,CuOを微量添加して検討した。その結果、CuOを10wt.%添加することにより、大幅にセンサ特性が向上することを見出した。 2 ヘテロ界面の観察・分析・評価共沈法で調製したNiO粉末は、一次粒子径が120nmのナノ粒子が得られた。最も特性の良かったCuOを添加したNiO粒子の平均粒子径も約100nmで、やや多孔質であった。添加したCuOは均一に分散されていることがわかった。 3 ヘテロ界面を有するセンシングデバイスの特性評価 NiO単独では市販品や本合成品も感度は小さいが、CuOを添加した場合には、湿潤雰囲気下でも35mVの感度を800℃で示すことがわかった。また、測定した50〜400ppmの範囲で、起電力はNO_2濃度の対数と良好な直線関係を示した。さらに、本素子は高いNO_2選択性を示すこともわかった。 4 ヘテロ接合界面の特異機能発現機構の解明 CuO添加によりなぜ感度が改善したのかを説明するために、素子の複素インピーダンスプロットと分極曲線を測定した。その結果、特に酸素の関与する電気化学反応に対する触媒活性が、CuOの添加により大幅に低下することにより、感度が向上していることが明確になった。
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