2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノプローブ加工技術を用いたナノイオニクス素子の開発
Project/Area Number |
16079211
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
寺部 一弥 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノシステム機能センター, 主幹研究員 (60370300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 剛 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノシステム機能センター, グループリーダー (50354345)
長田 実 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノスケール物質センター, 主任研究員 (10312258)
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Keywords | ナノイオニクス / 混合伝導体 / ナノファブリケーション / ナノワイヤ / 固体電気化学 / 近接場顕微鏡 / ラマン分光 |
Research Abstract |
イオン伝導体(混合伝導体を含む)と電極との界面においてイオンと電子のやり取りをナノスケールさらには原子スケールで制御することが出来れば、ユニークなナノスケールでの性質を利用した新たなナノ・イオニクス・デバイスやセンサの創製が期待される。本研究グループでは、近年進歩が著しいナノプローブ技術等を用いて、ナノスケールでイオン伝導体や電極を構築して、そのナノ界面でのイオンや電子の動きを利用した新規素子の開発を目指している。そこで、我々は、これまでに様々なサイズ径の多孔質アルミナ^<(1)>をテンプレートに用いて、電気化学堆積法によりヘテロ界面構造を有する混合伝導体ナノワイヤの構築のための開発研究を行ってきた。これまでに、直径10〜200nm程度までのAg_2S/Agのナノワイヤが構築することが可能になった。さらに、この作製した様々なサイズのナノワイヤの電気的特性評価をプローブ顕微鏡等を用いて行い、Ag_2S/Agのナノワイヤはナノスイッチ特性を示すことが明らかになった。本年度は、ナノプローブ法による複合光学評価(反射,発光,ラマン分光)を可能とする近接場分光システムを利用して、昨年度に引き続き、Ag_2S/Agナノワイヤにおけるヘテロ界面(混合伝導体/ナノ金属電極)における欠陥構造を含めた表面・界面構造の評価を行った。その結果、界面付近はストレスの影響を受けて乱れた構造をしていると考えられる。さらに、この電気化学堆積法を用いれば、様々な組成のイオン伝導体材料のナノワイヤ・アレイの作製も可能であるため、それらのナノ特性に関する基礎研究さらには新しいナノイオニクス素子やセンサ開発などの応用へ繋がることが期待される。そこで、新たにAg^+伝導性を有する固体電解質AgI/Agのナノワイヤ・アレイの作製法の開発して、そのイオン伝導特性について検討した。その結果、AgI/Agのナノワイヤのイオン電導度は、バルクに比べて3桁程度高いことが明らかになった。
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