Research Abstract |
希土類化合物の磁性を明らかにするために,局所密度汎関数法に基づく第一原理計算によりSm(Co_<1-x>Cu_x)_5の磁気モーメント,キュリー温度,ネール温度を計算した。また,La_<1.4>Sr_<1.6>Mn_2O_y化合物のMn価数及びMnO_6八面体構造を制御し,La327の強磁性磁気状態への変化を発見すると共に,La327系の本質的磁気抵抗効果の理解を進めた。さらに,マイクロマグネティクス理論に基づき磁歪,結晶磁気異方性と軟磁性の関係を解析し,磁歪をある一定値以上に大きくなることにより軟磁性を改善可能であることを示し,超磁歪・超軟磁性が併せ得られる材料条件を明らかにした。 これらの研究を基礎として,層状構造,強磁界,極限環境を利用した高次機能電磁材料の開発を行った。層状構造の利用した,Nd-Fe-B系超多周期の硬・軟磁性複合交換厚膜磁石については,その高機能化と厚膜化に成功した。また,層状化合物CeNiGe_2の単結晶育成に成功し,低温で巨大磁気抵抗が存在することを明らかにした。さらに,RE添加Bi系層状熱電酸化物について,層状構造のブロック層に着目し,c軸磁化容易軸をもつBi-Co-Oを開発した。強磁場プロセッシングでは,Nd-Fe-B磁石の高保磁力化に成功し,そのメカニズムを提案した。 極限環境の利用については,新規なPLD法を用いてNd-Fe-B系異方性厚膜磁石の高性能化に成功した。また,Fe/Tb人工格子の作製に成功し,磁気相図を明らかにすると共に,高圧下の磁気抵抗の観測に成功した。REBa_2Cu_3O_y高温超伝導体については,溶融凝固過程の2種類の結晶成長に着目して大きなc-growth領域を有するバルク磁石を作製した。さらに,高圧合成によって得られたCeCu_6及びCeIn_3について,合成の条件により化合物中のf電子の電子状態を制御可能であることを明らかにした。
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