2007 Fiscal Year Annual Research Report
ソルボサーマル反応による希土類系物質のパノスコピック形態制御と光機能の発現
Project/Area Number |
16080201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 次雄 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (90091694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
殷 しゅう 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (40271994)
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Keywords | 希土類系物質 / パノスコピック形態制御 / 紫外線遮蔽剤 / 酸化セリウム / ソルボサーマル反応 / 含水リン酸セリウム / 雲母状粒子 / 動摩擦係数 |
Research Abstract |
現在広く利用されている有機系紫外線吸収剤は人体への吸収により健康被害が懸念されることから、安全性の高い新規紫外線遮蔽材料としてナノサイズの酸化カルシウム固溶酸化セリウム基紫外線遮蔽剤を開発し性能評価を行っている。一般に無機ナノ粒子は凝集が激しく、肌に塗布した時の感触が悪い。無機ナノ粒子の肌上での感触を改善する手法として、雲母等の板状粒子との複合化が有効であるが、雲母は紫外線遮蔽能を有していないため複合化により紫外線遮蔽能が低下することが問題であった。そこで前年度は雲母と同様の板状形状を有し、紫外線遮蔽能を有するレピドクロサイト型層状チタン酸とカルシア固溶酸化セリウムとの複合化により使用感を向上させることに成功した。しかし、層状チタン酸はバンドギャップエネルギーが大きく、波長の長い紫外線(UV-A)の遮蔽特性に劣るので、今年度はバンドギャップエネルギーが小さくUV-A吸収能の優れた含水リン酸セリウムの雲母状粒子合成のための水熱反応条件を探索し、200℃、3hで化粧品用に汎用されている雲母と類似の形態を有する板状粒子を合成できることを明らかにした。また、得られた雲母状含水リン酸セリウムを人工皮革上に塗布し動摩擦係数を測定したところ、雲母状チタン酸と同様に低い動摩擦係数を示し、肌に塗布した時の感触を向上できることがわかった。なお、含水リン酸セリウムは酸化数4のセリウム化合物であり、機物の酸化能を有するが、600-700℃の熱処理、あるいは水熱条件下における化学還元処理により、酸化数3のセリウム化合物の変換でき、酸化力を低減できることがわかった。
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