2004 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック形態制御希土類系高次機能磁性体の高周波・高磁場磁気共鳴
Project/Area Number |
16080204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 宏朗 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40177465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 佳一 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70302205)
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Keywords | Nd-Fe-B焼結磁石 / 保磁力 / 強磁場中熱処理 / 強磁性共鳴 / 結晶場 / 界面異方性 / パノスコピック / 希土類 |
Research Abstract |
Nd-Fe-B焼結磁石は電気自動車の動力源である大型モーター用永久磁石として,現状では最も有望なハード磁性材料である.しかし現在市場に出荷されているNd-Fe-B焼結磁石では,保磁力増加のためにDyを添加し磁化をある程度犠牲にせざるを得ないという大きな問題がある.Nd-Fe-B系焼結磁石の粒界相であるNd-rich相は600℃程度で液相化するが,このような高温状態においても僅かにNd^<3+>の磁化率に異方性があるため,磁場中熱処理によってNd-rich相の配向度の改善が予想される.すなわち,Nd-rich相と主相界面の格子整合性の向上によって,主相表面の結晶磁気異方性が改善し,保磁力の向上が期待できる.本研究では,Dy,Co,Al,Cu等を添加した種々の組成のNd-Fe-B系焼結磁石試料について,「高感度示差走査熱量計」を用いてNd-rich相が液相化する3元共晶点を正確に評価した.この結果を基に磁場中熱処理の最適温度を決定し,系統的な実験を行った.磁場中熱処理した試料の磁気特性は,現有の強磁場磁化測定装置を用いて評価するが,この装置の磁場発生用電源に「超伝導磁石電源極性切替器」を追加することで,磁場の極性反転をコンピュータ制御可能にし,ヒステリシス曲線測定の自動化を図り,更に保磁力の着磁磁場依存性や非可逆減磁率等を系統的に測定出来るようにした.磁気特性の評価には,強磁場下での磁化測定に加えて,高周波・高磁場磁気共鳴法を用いて界面における局所結晶場等についての定量的情報を得るため,現有の高周波・高磁場磁気共鳴システムに「強磁性共鳴試料温度可変装置」を追加して系統的な測定が出来るようにした.
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Research Products
(4 results)