2006 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック形態制御された希土類系物質の強磁場誘起電磁物性
Project/Area Number |
16080205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸尾 光二 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (50143392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下山 淳一 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (20251366)
堀井 滋 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (80323533)
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Keywords | 強磁場 / 希土類元素 / 熱電変換材料 / 酸化物高温超伝導 / 結晶配向 / マンガン酸化物 |
Research Abstract |
本プロジェクト3年目にあたるH18年度では、ひきつづき以下の3つのテーマに取り組んだ。(1)RE123高温超伝導溶融凝固バルクの高性能化 (2)層状機能性酸化物の磁気異方性制御 (3)RE113系層状マンガン酸化物の磁気状態の制御 (1)については、高性能な臨界電流特性を示すc軸成長領域を大きく含む円柱状溶融凝固バルクの作製を行い、c軸成長領域の臨界電流特性の空間分布を明らかにし、高い臨界電流特性が成長距離に依存せず維持されることがわかった。 (2)については、磁場配向用Bi系熱電酸化物の創製を目的にすすめた。c軸方向に磁気異方性をもつBi_2Ca_2Co_2O_yでは、Pr,Nd,Tb,Dyの希土類元素のみがCaサイトへ添加によりc軸磁気異方性が増強される。これらの磁気異方性の増強効果はTb,Dyで著しくこれらをCaサイトに10%程度固溶させるとΔχ〜10^<-4>[-]まで増加する。この値は他の熱電酸化物であるCa3Co4O9のそれと同程度で現実的な配向磁場を1.5テスラ程度まで低減させる効果をもつ。また、熱電特性向上のためにΔχを維持しながらCaサイトを一部Srで固溶した配向試料を作製し、a軸配向Bi_2Sr_2Co_2O_y試料と同等の熱電性能を示すことがわかった。 (3)については、これまで酸素量の問題を考慮されてなかったLa113系マンガン酸化物の磁気特性について、様々なSr置換量をもつLa_<1-x>Sr_xMnO_y単結晶において、過剰酸素量を系統的に制御し、磁気特性や結晶構造に与える本質的な効果を調べた。x=0.05のas-grown試料では、130K付近でブロードな反強磁性転移を示したが、これをアニールして過剰酸素を導入することで強磁性転移が現れ、さらに磁化の値及び転移温度が系統的に上昇することがわかった。
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