2007 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック形態制御された希土類系物質の強磁場誘起電磁物性
Project/Area Number |
16080205
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岸尾 光二 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (50143392)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下山 淳一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20251366)
堀井 滋 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (80323533)
|
Keywords | 強磁場 / 希土類元素 / 熱電変換材料 / 酸化物高温超伝導 / 磁場配向 / 磁気異方性 / マンガン酸化物 |
Research Abstract |
当該年度では、(1)希土類系高温超伝導溶融凝固バルクの銀添加効果、(2)希土類系高温超伝導体の磁気異方性、(3)巨大磁気抵抗効果を示すペロブスカイトマンガン酸化物の機能性強化について行った。(1)については、Y123溶融凝固バルクを対象にし、Ag添加量の増加とともに超伝導転移温度が最高を示す酸素アニール温度が低温側にシフトしていき、Agドープによる適切なアニール条件が変化することを見出した。また、Agドープしたアトミックレベルのピンニングの効果が認められた。(2)については、静磁場もしくは回転磁場を利用してどの結晶軸方向に磁化容易軸を有するRE123のc軸配向粉末を作製し、面内面間磁気異方性を明らかにした。その結果、磁気異方性が大きいRE123の磁化容易軸および磁気異方性は希土類元素の二次のStevens因子で理解できるが、その絶対値は重希土類の方が軽希土類よりも一桁大きいことがわかった。また、REの寄与が小さいときにはCu02面とCu0鎖が磁気異方性を生み出していることがわかった。(3)については、ペロブスカイトマンガン酸化物のキュリー温度の新たな制御因子としてMn-O-Mnの結合状態に着目し、その実現のためSrドープ量や酸素量を固定したMn価数を一定のもとAサイト(Laサイト)へ他のREを部分置換することでその磁気特性を明らかにした。RE=Pr,Nd,Smが置換可能な元奉であることを確認し、REに対するキュリー温度の変化をみるとREが重くなるほどキュリー温度は上昇しSmでは室温近傍に達することを見出した。
|