2004 Fiscal Year Annual Research Report
希土類原子加熱法によるパノスコピック形態制御光学機能ガラスの創製と光波制御
Project/Area Number |
16080207
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小松 高行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60143822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 巧 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10278393)
紅野 安彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90283035)
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Keywords | 希土類原子加熱法 / ガラス / 結晶化ガラス / 形態制御 / ナノ結晶ドット / 単結晶ライン / 第二高調波発生 / 強誘電性 |
Research Abstract |
本研究は、光非線形性を示す結晶ドット及び単結晶ラインをガラス表面に希土類原子加熱法で書き込み、形態や光機能(伝搬特性等)を明らかにすると共に次世代光波制御デバイスへと展開することを目的とするものである。今年度の研究で得られた成果を以下に示す。 1.Sm_2(MoO_4)_3系強誘電体結晶ラインの書き込み ○強誘電性β'-Sm_2(MoO_4)_3結晶が熱処理によって生成するSm_2O_3-MoO_3-B_2O_3系ガラスを新規に開発した。Sm_2O_3-MoO_3系ではα-Sm_2(MoO_4)_3とβ'-Sm_2(MoO_4)_3結晶が存在し、α-型は常誘電体であり、β'-型は強誘電体であることから、開発したガラス系は極めて重要である。また、Sm_2O_3をGd_2O_3など他の希土類REに変えてもβ'-RE_2(MoO_4)_3結晶がガラス中から生成することを明らかにした。 ○21.25Sm_2O_3.63.75MoO_3.15B_2O_3ガラスにcw Nd:YAGレーザー(波長:1064nm)を照射し、レーザー走査速度を変えることによって屈折率変化ラインおよび光非線形性を示すβ'-Sm_2(MoO_4)_3結晶ラインの書き込みに成功した。特に、レーザーパワー一定下(0.4W)では、書き込んだ結晶ラインの形態(形や均質性)がレーザー走査速度によって大きく変化し、走査速度が1μm/sのときに比較的良質な結晶ラインが書けることが明らかになった。 ○YAGレーザー照射によって書き込んだ結晶ラインから明瞭な第二高調波発生を確認し、生成したSm_2(MoO_4)_3結晶が光非線形性を示すことを明らかにした。 2.曲線状の結晶ラインの書き込み 非常に均質な直線状の結晶ラインの書き込みに成功しているSm_2O_3-Bi_2O_3-B_2O_3系ガラスについて、レーザー照射方向のみを変化させることで曲線状の結晶ラインの書き込みを行った結果、非線形性を示すSm_xBi_<1-x>BO_3結晶から成る曲線状(曲がり角度:0-90°、サイン曲線型)結晶ラインの書き込みに成功した。また、レーザー照射方向を変えても結晶成長方向は同じであることを偏光マイクロラマン散乱スペクトルの結果から見出した。ただし、方向変化点近傍では結晶成長方位は徐々に変化しているというモデルを提案した。
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Research Products
(6 results)