2007 Fiscal Year Annual Research Report
希土類原子加熱法によるパノスコピック形態制御光学機能ガラスの創製と光波制御
Project/Area Number |
16080207
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小松 高行 Nagaoka University of Technology, 工学部, 教授 (60143822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 剛 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (70447647)
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Keywords | 希土類原子加熱法 / ガラス / 結晶化ガラス / 形態制御 / ナノ結晶ドット / 単結晶ライン / 第二高調波発生 / 強誘電性 |
Research Abstract |
本研究は、光非線形性を示す単結晶ラインをガラス表面にレーザー誘起原子加熱法(希土類/遷移金属原子加熱法)で書き込み、形態や光機能を明らかにすると共に次世代光波制御デバイスへと展開することを目的とするものである。今年度の研究で得られた成果を以下に示す。 ○レーザー誘起原子加熱法の適用によって、Li_2O-Nb_2O_3-SiO_2系ガラスにおいて強誘電性LiNbO_3結晶ラインのパターニング(Yb:YVO_4ファイバーレーザー:波長1080nm、パワー:1.3W、走査速度:7μm/s)を行い、偏光マイクロラマン散乱スペクトルおよび第二高調波強度の方位依存性(Azimuthal法)から、LiNbO_3結晶は単結晶に近い高配向(レーザー走査方向に沿ってc-軸配向)で成長していることを明らかにした。光導波(波長:632.8nm)実験の結果、LiNbO_3結晶ラインに有効に光が閉じ込められることを実証した。また、前駆体ガラスにEr_2O_3を添加することにより、結晶ラインから、Er^<3+>イオンに起因する蛍光が観測されたことから、LiNbO_3結晶にEr^<3+>が固溶することを明らかにした。光制御デバイス創製に大きく前進した。 ○レーザー誘起原子加熱法によって、Gd_2O_3-MoO_3-B_2O_3系ガラスにおいて強弾性/強誘電性を示すβ'-Gd_2(MoO_4)_3結晶ラインは、屈折率の周期的構造およびそれに伴う第二高調波強度の周期的変化を示し、レーザー誘起結晶化において極めて特異な結晶成長をすることを発見した。また、前駆体ガラスを通常の電気炉で熱処理を行うと、結晶化に伴って、電気炉内(結晶化後の冷却過程ではなく)で自ら微粉化する現象を発見した。この現象を、我々は自己微粉化現象と命名した。自己微粉化したβ'-Gd_2(MoO_4)_3結晶片においても、屈折率の周期的構造およびそれに伴う第二高調波強度の周期的変化が観測された。これらの現象はいずれも、β'-Gd_2(MoO_4)_3結晶の強弾性に基づくものと結論した。新規光制御デバイスとしての可能性が高い。
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Research Products
(15 results)