2006 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック形態制御された希土類系複合物質の高次機能と材料システム化
Project/Area Number |
16080210
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
町田 憲一 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 教授 (00157223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半沢 弘昌 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助手 (60228674)
伊東 正浩 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 助手 (90343243)
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Keywords | 希土類系物質 / 階層的形態制御 / ナノ機能材料 / 希土類磁石 / 電波吸収材料 / 蛍光体 / 固体電解質 / 触媒 |
Research Abstract |
本研究は、物理的または化学的手法に基づくパノスコピック形態制御技術により、希土類系合金、特定組成を有する金属間化合物、セラミックス、金属とセラミックスとの複合体(サーメット)または有機物とセラミックスとの複合体を作製し、これらの磁性、伝導性、光学物性および反応性を系統的に調べることで、小型または高温仕様モータ用高性能磁石、電波吸収体用磁性粉末、固体電解質、蛍光体、光学ガラスおよび各種触媒などとしての可能性を明らかにすることを目的とした。 1)Nd-Fe-B系焼結磁石に対し、DyやTb金属を表面に被覆後、これらを加熱により粒界相に拡散させることで、高い磁化と保磁力を併せもつ永久磁石となる研究成果を踏まえ、Nd-Fe-B系合金薄膜とDyまたはTb金属薄膜とを交互に積層し、合金薄膜部の結晶化とTb金属薄膜部の前者への拡散のための熱処理を施すことで、従来にない高い保磁力と磁化を有する高性能積層膜型希土類薄膜磁石を作製に成功した。 2)希土類金属をドープした合金または金属間化合物を出発原料とし、これらを二段階で直接窒化することで、AlN不純物相や酸素、炭層等の不純物元素を低減した複合窒化物系蛍光体、CaAlSiN_3:Eu^<2+>を合成することに成功した。また、CaAlSiN_3:Eu^<2+>に対する酸素不純物の濃度依存性を調べ、酸素濃度の低減と共に発光強度が向上すること、および、同様に発光波長も酸素濃度を低減することで長波長側へシフトすることを見出した。 3)上記に関連して、アルカリ土類金属酸化物を分子性炭素成分(CaCN_2)で還元剤する方法を見出し、複合窒化物系蛍光体を合成するプロセスを開発した。すなわち、M_2Si_5N_8:Eu^<2+>(M=Ca, Sr)およびCaAlSiN_3:Eu^<2+>の組成を有する複合窒化物蛍光体を、所定量のCaCN_2、MCO_3、Si_3N_4(およびCaAlSiN_3:Eu^<2+>の場合は更にAlN)、およびEu_2O_3を原料として、窒素気流中、1400-1500℃で数時間加熱することで、上記組成の赤色蛍光体が得られ、白色LED用の良好な赤色発光特性を示した。
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Research Products
(7 results)