2005 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック形態制御された希土類系物質の高圧力誘起電磁物性
Project/Area Number |
16080212
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
巨海 玄道 九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (00111146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 政司 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (10336000)
石田 清隆 九州大学, 大学院比較社会文化研究院, 助教授 (60108602)
櫻井 浩 群馬大学, 工学部, 助教授 (80251122)
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Keywords | 希土類 / 高圧 / 巨大磁気抵抗 / 層状化合物 |
Research Abstract |
希土類元素を含む多くの化合物の中で高温超伝導体や重い電子系物質などは層状の結晶構造及びスピン構造をもつものが多い。また巨大磁気抵抗効果等で知られる新機能人工格子はスピンが層状構造をもつ事で知られている。このようなことから本研究では「層状構造」をキーワードにしてスピンが2次元(又は1次元)の配列を持つ系を対象にして物質創成と圧力と磁場を形態制御変数として醸し出される物質の新しい機能を探索することを目的とした。従って今年度は目標として以下の3つのテーマをたて研究を行った。 (1)希土類元素の特異な圧力-温度相図を使った新機能物質の合成 (2)希土類元素を含む新しい層状化合物の合成と基礎物性 (3)高圧下で新機能が誘起されると期待される希土類人工格子の探索 希土類金属の結晶構造や電子物性は圧力や温度を変えると大きく変化することはよく知られてる。(1)では、はじめに金属Ceを例にとり、重い電子系物質の高圧合成を行った。これらの物質の電子物性は究極的にはf電子の数が担っている。その数の制御を圧力を用いて試みた。次に(2)では新機能物質としてスピンの層状配列を持つ物質の開発、即ち新物質の合成と良質炭結晶の育成に力を注いだ。このような物質として、CeNiGe_2を選び、スピンの反強磁性配列が磁場印加によりメタ磁性転移を起こすときに現れる巨大磁気抵抗の観察に成功した。更に最近我々はFe/Cr人工格子において巨大磁気抵抗が圧力下で大きく強調されることを見いだしたが(3)ではこの種の研究を高圧下で大きく電子状態が変わると予測される希土類元素を含む人工格子へ拡張するため、希土類元素を含む金属人工格子としてFe/Tbを選び、高機能試料の作成を行い、9Tの磁場で約8%の磁気抵抗がでることを確認し、更に高度な技術を要請される高圧下の磁気抵抗の測定にも成功した。
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