2006 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック形態制御による高次機能希土類系交換スプリング複合磁性薄膜の創製
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16080214
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福永 博俊 長崎大学, 工学部, 教授 (10136533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 正基 長崎大学, 工学部, 助教授 (20274623)
柳井 武志 長崎大学, 工学部, 助手 (30404239)
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Keywords | 磁性材料 / 電子・電気材料 / 複合材料・物性 / パノスコピック / PLD |
Research Abstract |
1)Nd-Fe-B系交換スプリング複合磁石膜開発 PLD法により作製したNd-Fe-B/Fe_3B超多周期積層型硬・軟複合厚膜表面に存在する粒子について検討した結果,粒子はターゲットから放出されたドロップレットが直接膜表面に堆積したものではなく,複数回のパルス的な堆積の過程を経て,膜表面で成長したものであることが明らかになった。このことを利用して,膜表面に存在する粒子を抑制する新しいPLD法を開発した。 更なる特性改善のためには,Nd-Fe-B層中のFe含有量を増加させる必要がある。Fe含有量の増加は保磁力の低下を招くため,パルス熱処理法を適用して保磁力を改善した。この方法の採用により,従来の熱処理法では十分な保磁力が得られなかったNd_<2.2>Fe_<14>ターゲットも使用可能となり,残留磁化が増加するとともに,最大エネルギー積が約10kJ/m^3増加した。 また,Nd-Fe-B/Ta積層構造を作製することにより,ポストアニーリング法による異方性Nd-Fe-B薄膜磁石作製に成功した。この方法により作製された膜は,Nd_2Fe_<14>Bの化学量論的組成よりそのNd量を減少させても異方化状態を保持し,異方性ナノコンポジット磁石となった。異方化状態を保持する最小のNdとFeの原子比は8:92であった。Nd:Fe=11:89の原子比を有する異方性ナノコンポジット磁石膜では87kJ/m^3の最大エネルギー積が得られた。 2)超軟磁性・超磁歪材料開発 昨年度予測した超軟磁性・超磁歪材料について,軟磁性発現原因を解析的および数値的アプローチを行いて研究した。その結果,磁歪および交換相互作用により各結晶粒の磁化の向きが同一方向に揃うことに起因して超軟磁性が達成されることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)