2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16080215
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 泰道 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (80114172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯉沼 陸央 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 講師 (70284742)
伊田 進太郎 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (70404324)
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Keywords | 層状酸化物 / 自己組織 / 希土類 / ナノシート / 発光 / ユーロピウム |
Research Abstract |
本年度は希土類含有層状酸化物の発光の励起スペクトル変化機構の調査、ナノシートを用いる光の三原色の同時発光素子の開発、及びそれらの発光の応用を目指した。第一の成果として、pHに応答するユーロピウム含有チタン層状酸化物の発光を見出したことが挙げられる。pHの低い領域ではほとんど3価ユーロピウムの赤色発光は得られず、pHの高い領域では強い発光が得られた。pH応答の再現性を、同一サンプルを用いて幅広いpH領域で評価した場合では、比較的よい再現性を示した。これらの発光のpH応答機構は、軽水、重水中での発光寿命測定の結果より、層間のTi_<l.81>O_4ナノシート層間ユーロピウムの第一圏内の水和状態がpH変化に応じて変化するためであると推察された。これらの結果より、層間ユーロピウムの水和状態に変化を与える分子やイオンは、この種の層状酸化物の発光を用いてのセンシングが可能であることが示唆された。第二の成果としては希土類含有層状酸化物の発光(例えばEu^<3+>やTb^<3+>)を電位制御によりON-OFFすることに成功したことが挙げられる。これは電位により層間希土類イオンの価数が変化するためであり、これらを応用することで新しい発光素子への展開が期待される。第三の成果としてはナノシートを用いて光の三原色を得ることに成功したことが挙げられる。赤色は3価ユーロピウム/Ti_<l.81>O_4ナノシートの組み合わせにより、緑色は3価テルビウム/Ti_4O_9ナノシートもしくは、Nb_6O_<17>ナノシートの組み合わせにより、青色はBi-Sr-Ta-O系のナノシートにより成功した。特にナノシート単独で青色発光した例は初めてである。今後これらの新蛍光材料は、センシングプローブやナノ粒子蛍光体として期待できる。
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Research Products
(3 results)