2005 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック形態制御された希土類系発光材料の高次設計と高効率蛍光体の開発
Project/Area Number |
16080218
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
山元 明 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (00247298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 快暢 東京工科大学, 工学部, 助手 (90373042)
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Keywords | 蛍光体 / 発光ダイオード / 光物性 / 窒化物 / 希土類イオン |
Research Abstract |
(1)不純物添加による複酸化物蛍光体の効率改善機構; 低速電子線用蛍光体SrIn_2O_4:Pr^<3+>にGd^<3+>などのIII族元素を添加すると、発光効率が最大で60%向上する現象を見出し、その機構を研究した。この現象の解明により、他の複酸化物蛍光体の特性改善にも役立つと考えた。SrIn_2O_4:Pr^<3+>では、In空孔に関連した格子欠陥が発光効果を低下させるが、上記のIII族元素不純物はInを置換して格子欠陥生成を抑制し、効率低下を防ぐことが明らかになった。さらにIII族元素不純物がトラップを形成し、このトラップが自由電子を捕捉することにより無輻射過程に流れることを防ぐと推察した。 (2)白色発光ダイオード用新赤色蛍光体の発光特性; 我々は物質・材料研究機構と協力して、赤色蛍光体CaAlSiN_3:Eu^<2+>を開発した。この物質では、AlとSiおよびNとO(不純物として混入)がそれぞれ同一格子点を占めるので、これら原子の無秩序分布が発光特性に影響を与えている可能性がある。検討の結果、以下の事実が明らかになった。 (a)酸素不純物により発光効率が顕著に低下する。 (b)発光減衰特性は、複数の指数関数型の和として現れる。発光イオン(Eu^<2+>)の周囲の環境に分布があるためと考えられる。 (c)定常励起による発光強度に熱発光が加算されて、温度依存性が少なくなる。この性質は応用上大きな利点である。 (d)CaAlSiN_3:Eu^<2+>の発光ピークは650nmと視感度の低い長波長にある。しかし、Sr置換により発光ピークは短波長側にシフトし、輝度が向上する。Sr原子比率50%以上では(Ca,Sr)_2Si_5N_8:Eu^<2+>が複生し、Sr100%の組成では8割がSr_2Si_5N_8:Eu^<2+>になる。したがって、CaAlSiN_3:Eu^<2+>の発光特性を変更できる範囲が限定されることがわかった。(Sr比率50%で約10%の輝度向上)
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Research Products
(2 results)