2006 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック形態制御された希土類系発光材料の高次設計と高効率蛍光体の開発
Project/Area Number |
16080218
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
山元 明 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (00247298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 快暢 東京工科大学, 工学部, 助手 (90373042)
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Keywords | 蛍光体 / 発光ダイオード / 光物性 / 酸窒化物 / 希土類イオン |
Research Abstract |
1)白色発光ダイオード(白色LED)用黄〜黄燈色蛍光体として、一般式(Sr_<1-x>Ba_x)Si_2O_2N_2:Eu^<2+>の材料に注目した。この組成は公知であるが、我々は以下の点で新規な技術を開発し、実用化可能な性能を持つことを示した。 (a)(Sr_<1-x>Ba_x)_2SiO_4:Eu^<2+>を前駆体とする2回焼成法により、公知の1回焼成法に比べ単一相に近い試料が得られ、発光効率が約70%向上することを見出した。前駆体(Sr_<1-x>Ba_x)_2SiO_4:Eu^<2+>の反応性が高いために反応が加速されると推察した。 (b)発光強度はEu濃度15mol.%で最大値を示す。このように濃度消光が少ない理由は結晶構造が層状で、Eu^<2+>間のエネルギー移動が起こりにくいためと考えられる。この結果Eu^<2+>の固有吸収が強くなり、発光出力を増加させることができる。 (c)励起帯は広い波長域に及び、青色、紫色、近紫外のいずれのLEDにも対応できる。x=025、0.50の試料は、460nm光励起において市販の(Y, Gd)_3Al_5O_<12>:Ce^<3+>の約1,2倍の積分発光強度を示した。また、x=0.75の試料は(Y, Gd)3Al_5O_<12>:Ce^<3+>よりも長波長の発光成分を持つので、演色性の良い白色LEDを実現できる。 (d)発光出力の温度依存性が少なく(室温から150℃までで10%低下)、高出力LED用として適している。 (e)窒化物、酸窒化物の多くは高圧下で合成されているが、この材料は常圧で合成することができる。 2)青色発光組成(Sr_<0.75Ba_<0.24>)Si_2O_2N_2:Eu^<2+>(1mol.%)の発光特性 標記組成のまわりの狭い範囲でのみ、ピーク波長470nmの青色発光帯が現れることを見出した。加速電圧1.4kVで電子線励起の発光特性を測定し、現行青色蛍光体Y_2SiO_5:Ce^<3+>に近い輝度を得た。
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Research Products
(3 results)