2007 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック形態制御された希土類系発光材料の高次設計と高効率蛍光体の開発
Project/Area Number |
16080218
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
山元 明 Tokyo University of Technology, バイオニクス学部, 教授 (00247298)
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Keywords | 蛍光体 / 発光ダイオード / 残光 / 窒化物 / 酸窒化物 / 希土類 / フラックス / トラップ |
Research Abstract |
1.白色発光ダイオード(LED)用に適した黄色発光蛍光体MSi_2O_2N_2:Eu^<2+>(M=Sr,Ba)の粒形制御。層状結晶構造を反映してこの物質の粒子は板状で、破砕による小粒子が生成する。板状粒子は下地の青色LED上への均一塗布が難しい。また、小粒子は発光効率の低下を招く恐れがある。そこで、合成に用いるフラックス材料を検討し、K_2B_4O_7などのホウ酸アルカリにより球状に近い粒形を実現した。しかし、これらのフラックスにより一部酸化反応が起こり、不純物相として効率の低いM_3Si_6O_2N_9:Eu^<2+>が副生し、発光効率が低下した。 2.新たな橙色長残光蛍光体Ca_2Si_5N_8:Eu^<2+>,Tm^<3+>の開発と合成法の検討。(1)還元雰囲気下焼成においても酸素を含むCaSi_2O_2N_2:Eu^<2+>が副生し、Siに対してCaが目的式量以上に消費される。そこで、原料のCa_3N_2を過剰に加えることにより残光強度の高い試料が得られた。初期値の1%に減衰する時間は10分、0.1%は約1時間で、Y_2O_2S:Eu^<3+>系の既知赤色長残光蛍光体を凌ぐ特性が得られた。(2)Tm^<3+>の添加により新たな熱発光ピークが320K付近に生じ、これが長残光の原因となる。Eu^<2+>の局在励起(4f-5d遷移)により強い残光と熱発光が認められることから、Eu^<2+>とTm^<3+>が互いに近くにある場合に、残光を生じる有効な電子トラップを形成すると考えられる。 3.電界放射ディスプレイ用青色蛍光体Y_2SiO_5:Ce^<3+>や窒化物など多数の物質について、電子線照射による化学結合の切断の結果発生するイオンの分析を試みた。電子線加速電圧25kV、最大電流0.5mAで照射したが、吸着ガスが検出されるのみであるため、基板を熱伝導性の低いものに変えるなど条件を厳しくしてさらに検討している。
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Research Products
(16 results)