2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16081201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 健三 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (90159690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 久男 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (20192619)
末廣 一彦 北海道大学, 大学院理学研究院, 講師 (60211976)
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Keywords | 素粒子物理 / ニュートリノ / 量子ホール効果 / 超対称ゲージ理論 / 超弦理論 / 素粒子標準理論 / 非摂動効果 / 可解模型 |
Research Abstract |
本研究は、理論的研究により標準理論を越える素粒子物理学の解明を目的としている。特に標準模型、超対称ゲージ理論、ニュートリノの物理や量子ホール効果、並びに弦理論に関する場の理論の各種の非摂動的な効果を多様な手段や方法を駆使して解明すると共に、精密測定と関連する物理学を研究し、以下の研究成果を挙げた。 (1)ニュートリノに関して、物質との相互作用が弱いニュートリノの特性を考慮にいれて構築した散乱振幅を理論的に解析し、散乱現象に関する新たな知見を解明した。この振幅は、粒子の運動量と位置の両変数を観測する散乱に対応するものであり、この散乱振幅に基づいてニュートリノ振動や高エネルギー宇宙線の性質が調べられると共に、粒子による様々な散乱が解明された。 (2)標準模型を超える理論として有力視されるN=1超対称な理論の非摂動的補正に関して、超対称性に基づいて成立する恒等式を明らかにした。また、この恒等式が厳密に解かれることを示し、また、このような性質を持つ現実的な模型の一部を見つけた。 (3)超弦理論の非摂動論的性質を調べる手段として、弦の場の理論でSchnablがはじめて採用した新しいゲージ条件による計算を進めた。この結果、弦の場の理論の計算が非常に簡略化されること、並びにこの新しいゲージ条件の下で散乱振幅が計算できることを示した。また、Schnablのゲージ条件をさらに修正し、弦の散乱振幅の計算がさらに簡略化できることを示した。以上に加えて、弦理論を基礎にした初期宇宙における宇宙膨張が解明された。
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Research Products
(6 results)