2009 Fiscal Year Annual Research Report
超対称理論における世代構造とレプトンフレーバーの破れの研究
Project/Area Number |
16081202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 昌弘 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授 (10222366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸井 健夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60322997)
山田 洋一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (00281965)
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Keywords | 素粒子物理学 / レプトンフレーバー破れ / 超対称性 / 素粒子論 |
Research Abstract |
素粒子のフレーバー構造の起源の理解に向けた研究を行い,超対称理論の様々なシナリオにおけるレプトンフレーバー破れにについて包括的に研究するとともに,昨年度から稼働しているMeG実験でレプトンフレーバーの破れが発見されたときに,レプトンフレーバーの破れの起源を同定するために重要な基礎的な理論研究を行うのが本研究の目的である。山口は,超対称性の破れに関して注目を集めているミラージュメディエーション機構について,その機構のいくつかの問題点を改善する模型を提唱した。特にPeccei-Quinn対称性を持つように拡張した模型におけるサクシオン(アクシオンと超対称多重項を成すスカラー場)の宇宙論への影響について議論した。将来この模型でのレプトンフレーバーの破れを議論するための基礎的な研究となる。諸井は,超対称性粒子の暗黒物質の対消滅や崩壊がもたらす宇宙に関する研究を展開した。特に,PAMELA,ATIC,Fermiなどの実験で観測された宇宙線の異常を説明する超対称理論に基づく素粒子模型を提唱した。山田は,超対称理論をすじめとする標準模型を超える物理の高次量子補正について研究し将来のレプトンフレーバーの破れ起源の同定の基礎とした。具体的には,標準模型を超える物理でしばしばあわわれる重いSU(2)L多重項の質量が同じ多重項の中でどのぐらい変わるかについて2ループの計算を行い,定量的に評価した。これらの結果は,既に論文として発表している。(山口の結果については,今俊発表予定である。)
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