2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミュー粒子稀崩壊探索実験MEGで迫る超対称性大統一理論
Project/Area Number |
16081205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 俊則 The University of Tokyo, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (90220011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真木 晶弘 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 名誉教授 (40044755)
春山 富義 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (90181031)
寺沢 和洋 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (10329138)
三原 智 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80292837)
大谷 航 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (30311335)
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Keywords | 素粒子実験 / 国際協力 / ミュー粒子 / 超対称性 / 大統-理論 |
Research Abstract |
本年度は全ての検出器の準備が整い、後半より全実験装置を稼働させてデータの取得を開始した。検出器の較正用データの後、短期間ではあるがμ→eγ探索用物理データも取得した。 実験の要である液体キセノン検出器はクライオスタット建設が終了し、光電子増倍管(PMT)の組み込み後液体キセノンを充填して運転を開始した。LEDやアルファ線源を用いたPMTの較正、陽子やπ粒子ビームにより生成したガンマ線による検出器の較正が行われ、幅広いエネルギー範囲で線形の応答を確認している。また低温液体ポンプを用いて液体キセノンの純化を行い、シンチレーション光の吸収長3m以上を達成した。 陽電子スペクトロメータ用超伝導マグネットは、データ取得期間全体にわたって0.1%以下という極めて安定した磁場を供給した。一部のドリフトチェンバーが高電圧ラインのトラブルで本来の性能を発揮できなかったものの、スペクトロメータ全体としては安定に動作し、ターゲット中で崩壊したミューオンから放出される大量の陽電子の飛跡検出と時間測定に成功している。 データ収集回路に関しては、μ→eγ探索用のトリガーを含むさまざまなタイプのトリガーがテストされ、ほぼ予想通りの頻度でデータが収集できることを確認した。トリガーアルゴリズム、データ圧縮技術の最適化などにより長期にわたる運転中取得した大量のデータを問題なく処理できたことも重要な成果である。 現在取得したデータを元に解析アルゴリズムの最適化、検出器の詳細な性能評価を行っている。さらに最終的な物理結果を導くための物理解析アルゴリズムの開発も進んでおり、本年度取得した物理データを用いて最適化が行われている。 また、さらに高い感度でμ→eγ探索を行うための新検出器の開発にも着手しており、液体キセノン検出器用の光センサーの試験装置の立ち上げなどが行われた。
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