2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16081207
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
野尻 美保子 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 教授 (30222201)
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Keywords | 素粒子論 / 素粒子実験 |
Research Abstract |
1) LHC実験ではQCDのプロセスによって超対称粒子が生成されるが、そのさいに初期状態から同時に生成されるquark, gluonなどによるInitial state radiation(ISR)によって、ジェットが発生する。このため、超対称粒子崩壊によって発生したジェットのみを選び出し、kinematicsの再構成することが、難しくなる。このISRを系統的にのぞく方法を開発した。これはMT2を計算する際にイベントの中にあるPTの大きいジェットを順番にのぞき,MT2が最小になるものを選ぶことで、分布終端を越えて存在するイベントを除くものである。この方法で、MT2分布のkinematical end pointがきれいに再現できることを確認した。この成果をまとめた論文はPRLに掲載された。また、一般的なmass spectrumについて、研究を行い、その結果をまとめつつある。 2)Squark Rが直接LSPに崩壊する分岐比はLSPのgaugino成分の変動によって大きくかわるため、このモードの測定が重要であることを示した。またこのようなモードがsplit UEDやLittleHiggs模型などの他の模型を、超対称模型と区別するために重要であることを指摘した。 3)第三世代のmass spectrumがMSUGRAと異なる模型のLHCでの現象論について研究を行った。特に第三世代の超対称粒子が軽くなる模型について、gluino-> stop崩壊を測定して、MSUGRAからのずれを確認できることを明らかにした。
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