2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16081209
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 研三 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90127978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 興一 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (80363323)
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Keywords | 素粒子論 / 統一理論 / 超対称性 / 高次元時空 |
Research Abstract |
本年度は、研究実施計画に基づき、次の3課題について研究を行った。 1.超対称標準模型のヒッグスポテンシャルの解析 最小超対称標準模型におけるヒッグスポテンシャルの大域的構造を解析した。とくに、電弱相互作用の破れの際に必要なパラメータの微調整に焦点をあて、ニュートリノ物理が果たす役割を評価した。その結果、様々なニュートリノ物理の効果を取り入れることにより、微調整問題が改善されうることを見た。これは、繰り込み群の効果や、統一群より高いエネルギースケールの物理から来ている。 2.高次元空間の安定化 超対称5次元量子電磁力学において、Fayet-Iliopoulos項が輻射補正により必ず現れること、またその取りうる値を評価し、真空構造の変化を解析した。とくに余剰次元の大きさが安定化される幾つかの機構を作りあげ、高次元理論の現実的な応用が可能となることを示した。また、それぞれの機構に於いて、新しい型の超対称性の破れやフレーバー物理への応用を議論した。 3.湯川相互作用に関連したフレーバー物理の研究 大統一理論を念頭に、荷電粒子の質量行列の解析を行った。加速器実験におけるCP対称性の破れの最新結果を含む、現在の実験と無矛盾かつ最も単純な行列形、すなわちゼロ要素を最も多く含む形を見出した。とくに荷電レプトンの質量行列に大きな世代間混合角を示唆することは、近年のニュートリノ観測実験の結果とよく一致するものである。 これらの研究において、数値解析および論文の作成において、設備備品として購入した計算機が大いに役立った。また重点的に研究を行うために学術研究員を2名雇用し、共同研究を行った。
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Research Products
(1 results)