Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白神 宏之 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教授 (90183839)
重森 啓介 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助手 (50335395)
中井 光男 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教授 (70201663)
三間 圀興 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (30033921)
磯部 光孝 大阪大学, 核融合科学研究所, 助手 (00300731)
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Research Abstract |
目的:核燃焼で主要な役割を果たすα粒子は,電子との衝突によりプラズマにエネルギーを付与するが,高密度に圧縮された電子はフェルミ縮退しているために,電子の遷移が制限され阻止能が低下する.このため点火・燃焼の条件が変わる可能性がある.本研究の目的は縮退プラズマ中の核反応計測により,縮退プラズマ中の荷電粒子の阻止能の低下を検証し,縮退が点火・燃焼に与える影響を予測することである. 全体計画:平成16-18年度に主として装置設計・製作、予備実験と性能評価を行い,平成19-20年度に,大阪大学レーザーエネルギー学研究センターにて,爆縮用の激光XII号(既設)および加熱用のLFEXレーザーを用いて縮退した爆縮プラズマの加熱実験を行う. クライオターゲットの開発:クライオターゲットの爆縮に先立って,まず平面状のターゲットの流体力学が予測通りであるかどうかを検証する必要がある.このためにターゲット製作装置を製造,その後順次,冷却準置を加え,さらに照射モニター装置を開発し,平面状のクライオターゲットの製作に成功した.爆縮に必要な球状のクライオターゲットは,フォーム球殻に液体重水素を含浸させることにより形成される.しかし所要の形状(直径500ミクロン,厚さ50ミクロン)をもつフォームを製造することが非常に困難であった.この原因は重合過程で球殻層とその周りの部分の密度整合が崩れてしまうことと,早期のゲル化が原因であった.これに対し「相関移動触媒」と呼ばれる新触媒と「直鎖型フェノール樹脂合成」と呼ばれる合成法を考案することによりこの問題を解決する見通しを得た. 高速X線画像計測:加熱された爆縮コアの動的挙動を観測するために,超高速時間空間分解X線画像計測法として,5-10keV領域での位相型フレネル・ゾーンプレート(疇地)と2次元画像サンプリングX線ストリークカメラ法(SIXS法,白神,重森)を開発し,時間分解能2ps,空間分解能3μmの計測の原理を提案した.これまでに位相型フレネルゾーンプレートが必要とされる空間分解能をもつことを検証した.問題となる背景光をX線干渉により抑制する方法を新たに考案し,設計を完了した.またSIXS法の原理実証に基づき実機を設計した. 中性子分光器:核融合反応による中性子スペクトル計測には高エネルギー分解能の中性子分光器が必要である.これまでに既設の842チャネル中性子分光器MANDALAを用いて,2次反応中性子の観測に成功した.しかし本実験で使用するためには2つの問題を解決しなければならない.第一は加熱用レーザーの一部との空間的干渉のため,中性子分光器を移設する必要があること,第二は加熱用レーザーの注入により発生する多量のγ線対策を行う必要があることである.第一の問題に対処するために,半数チャネルの移設を行った
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