2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルヴェン固有モード・センシングシステムによるアルファ粒子損失機構の研究
Project/Area Number |
16082209
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
東井 和夫 National Institute for Fusion Science, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20093057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大舘 暁 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教 (00270489)
榊原 悟 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 准教授 (90280594)
武智 学 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究員 (40370423)
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Keywords | プラズマ・核融合 / アルファ粒子 / 高速イオン / アルヴェン固有モード / TAE / 高速粒子モード / 損失イオンプローブ / ピッチ角 |
Research Abstract |
本研究では、トーラスプラズマにおけるアルファ粒子によるアルヴェン固有モード(AE)の励起とAEの高速イオン輸送に及ぼす影響を明らかにすることを目指し、LHDやCHSなどのヘリカル装置とJT-60Uトカマクにおいて中性ビーム入射(NBI)で生成した高速イオンによるAE励起とAEの高速イオン輸送への影響の解明、及びAEの安定性評価に重要な減衰率の測定と減衰機構の解明を進めている。主要な成果は下記の通りである。(1)CHSにおいてプラズマ周辺部へ挿入可能な方向性プローブとプラズマ外に設置したシンチレータ型損失高速イオンプローブによる測定から、高速イオンにより励起された高速粒子モード(EPM)によりプラズマ内部からプラズマ外へ輸送される高速イオン束を観測し損失機構を明らかにした。(2)JT-60UトカマクではAEによる高速イオン輸送を中性子放射の径方向分布から導出し、高速イオンの磁場リップル輸送の理論との比較からAEの影響を定量的に評価した。(3)LHDでは、NBI電流駆動により非単調回転変換分布を生成したとき、トカマクの反転磁気シアAEに類似したアルヴェン固有モードが励起されることを見出した。(4)AEやEPMは高速イオンにより不安定化されるが、CHSでは電子サイクロトロン加熱で生成したヘリカル磁場リップルに捕捉された高速電子も高速イオンと同様にAEやEPMを励起できることを明らかにし、高速電子励起のバースト的EPMを観測した。高速電子の軌道計算からこのような励起の可能性を明らかにした。(5)CHSではアンテナにより10kHzから300kHzまでの交流磁場印加によりプラズマ周辺部でTAEを励起し、減衰率を測定した。減衰率は固有周波数の10-20%と相当高く連続スペクトル減衰が重要と考えられる。当初の目的とした成果に加え、新たな興味深い成果が得られた。
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