2004 Fiscal Year Annual Research Report
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16083102
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 恵子 独立行政法人産業技術総合研究所, ジーンファンクション研究センター, 研究チーム長 (90357872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 卓生 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (60251394)
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Keywords | モータータンパク質 / 電子顕微鏡法 / 画像処理法 / 単粒子解析法 / キネシン / 微小管 / ミオシン / ダイニン |
Research Abstract |
微小管と、分子モーターやその働きを制御する分子の複合体の3次元構造を高分解能で得るためにはまず、規則性の高い安定な微小管を用いることが肝要である。このため微小管の重合条件を再検討したが、この過程でこれまで用いていた微小管が高濃度のヌクレオチド存在下で不安定であることが判明した。そこでまず、チューブリンの精製方法を再検討し、得られたチューブリンをもちいて重合した微小管を様々な条件下で電子顕微鏡観察した。また、これまでに得たキネシン・微小管複合体において、キネシン結合に伴うチューブリンの構造変化が観察されたため、結晶構造をいくつかのドメインに分けてフィッティングを行った。この結果、チューブリン分子の特定のドメインがキネシン結合にともなって回転することがわかった。キネシン・微小管複合体の構造変化に関する結果は、2004年生物物理学会年会にて報告するとともに、アメリカ細胞生物学会のシンポジウムで依頼講演を行った。 安永は、2004年度は、主として、画像解析法の開発とモータータンパク質の単粒子三次元再構成を行った。高分解能3次元構造を得るために、数多くの画像を取得し、平均化することが重要である。そこで、電子顕微鏡による粒子画像の自動取得を目的とした新しい手法を開発し、査読付国際会議で発表した。また、三次元画像再構成のための新規アルゴリズムを開発し、日本生物物理学会年会において報告した。この手法を用いて、ミオシンVI、ダイニン、シトクロム酸化酵素の三次元再構成を行った。さらに、画像分類・統計処理法を用いて、シャペロニン構造の基質結合により誘導された構造変化を捉え、Protein Science誌に報告した。この手法は、モータータンパク質の高分解能構造の妥当性を検討する上でも重要である。また、ナノメータ分解能の電子顕微鏡三次元画像から原子モデルを構築するためのアルゴリズムを開発した。これらは、2004年生物物理学会年会にて報告した。
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