2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16083202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 隆史 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 助教授 (80312239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 昌彦 東北大学, 大学院・農学系研究科, 助教授 (70218642)
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Keywords | Pin1 / プロリン異性化酵素 / 微小管 / リン酸化 / Tau / Arp / Myc / アルツハイマー病 |
Research Abstract |
我々の主要なテーマは二つのプロジェクトである。一つは、Ser/Thrがリン酸化されたタンパク質に結合するPin1に関する研究で、もう一つは、Pin1のリン酸化タンパク質結合部位と結合するWWモチーフを有するタンパク質として再発見したGAS7に関する研究である。本年度はプロジェクトがスタートしたばかりであり、まだ論文が印刷されていないが、Pin1の新しい生物学的な機能を発見した。それはアミロイドの産生を促進する機能である。アミロイド前駆タンパク質がアルファセクレターゼで切断されてC99になると、Thr668がGSK3でリン酸化されて、そこにPin1が結合し、ガンマセクレターゼによる切断を受けやすくなることを明らかにした。アミロイド生成はアルツハイマー病の重要なファクターであり、患者の多さと有効な薬剤が現在ほとんどないことを考えると、本研究が与えるインパクトは大きいと信じる。この発見をさらに詳しく解析して、次のステップとしては、Pin1とアミロイド前駆タンパク質との結合を一分子レベルで観察したいと考えている。アミロイド前駆タンパク質は膜タンパク質なのでその構造変化を解析するのは難しいと推察されるが、共同研究によってなんとか解析を行うようにしたい。さらに、Pin1とPin1の基質となるリン酸化ペプチドの結合を水晶発振子を用いた装置で検討した。さらにこの結合が我々の発見したPin1プロリン異性化酵素阻害剤PiBで阻害されることも明らかにした。Gas7に関しては、Gas7がリン酸化タウに結合することを明らかにした。現在、Gas7がタウを介して微小管重合にどのように関わっているかについて明らかにすべく研究している。GAS7の細胞レベルでの機能について明らかしつつ、今後は組み替えタンパク質を用いてナノレベルでの研究も行う予定にしている。
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