2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16083202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 隆史 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (80312239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 千代子 茨城大学, 保健管理センター, 准教授 (80312776)
原田 昌彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (70218642)
高橋 勝彦 昭和大学, 薬学部, 講師 (80307066)
伊藤 知彦 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30183742)
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Keywords | Pin1 / プロリン異性化酵素 / stat3 / proteome / Alzheimer's disease / リン酸化 / oligodendrocyte / spinal cord injury |
Research Abstract |
細胞質タンパク質であるシグナル伝達性転写因子(signal tranducer and activator of transcription; STAT)ファミリーは、核内に移行して遺伝子発現を活性化する。我々は、Pin1が転写因子STAT3の遺伝子転写活性を高めることを発見した。STAT3はTyr705がチロシンキナーゼJAK (Janus kinase)によりリン酸化されると、リン酸化されたSTAT3は、自身のSH2ドメインを介してSTAT3同士あるいはSTAT1との二量体を形成し、核内へ移行し、特異的DNA配列を認識して結合し、多くの遺伝子の転写を制御していることが知られている。我々は、STAT3のC末側に存在するSer727がリン酸化されるとそこにPin1が結合してStat3のDNA結合能を向上させて転写活性を増加させることを示した。また、脊髄が損傷すると、oligodendrocyteはapoptosisをおこすがメカニズムは不明であった。我々は、JNK3によるMcl1 (myeloid cell leukemia sequence-1)のSer121リン酸化と、それによるリン酸化Thr163に結合していたPin1のMcl1からの離脱がapoptosisシグナルを引き起こすことを見出した。この結果はJNK3-,およびPin1-KOマウスを使った実験で明かになった。このほか、Pin1の類似蛋白質Gas7の微小管重合促進作用のメカニズムとアルツハイマー病との関係に関して研究を行った。さらに、微小管上を運動するモーター蛋白質の運動にgas7がどのような影響を与えるかについての基礎的な検討を開始した。また、出芽酵母およびヒトのアクチン関連タンパク質がゲノム機能の制御や分裂期染色体の挙動に関与することを見出した。また、チューブリンによる分裂期染色体の整列に必要なArp8については、その機能がリン酸化などによる修飾によって調節を受けている可能性が示唆された。
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Research Products
(13 results)