2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞核内部アーキテクチャーの分子構築とクロマチン機能制御メカニズム
Project/Area Number |
16084201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 昌彦 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (70218642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 研 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 教授 (70108158)
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Keywords | 細胞核 / 核構造 / クロマチン / 細胞分化 / アクチン関連タンパク質 / トポイソメラーゼII / 遺伝子発現 / 神経細胞 |
Research Abstract |
細胞核に局在するアクチン関連タンパク質の一つであるhArp5をRNA干渉法によってノックダウンしたところ、細胞核の形態に異常が観察されたことから、hArp5が細胞核構造の構築に関与することを示した。また、hArp6が、heterochromatin protein 1(HP1)と相互作用し、ヘテロクロマチンの形成に関与することを明らかにした。 DNAトポイソメラーゼIIβ(トポIIβ)がMAR結合タンパク質SP120(SAF-A/hnRNP U)を含む巨大な分子複合体中に存在することを見いだした。核の可溶性画分をトポIIβ、あるいはSP120の抗体で免疫沈降(IP)すると、再現性よく多数のタンパク質とRNAを含む複合体が分離された。両複合体タンパク質をイムノブロットと質量分析で解析し、同定された70種余りのタンパク質のうち、約6割が共通していること、それぞれの複合体にトポIIβとSP120が共に含まれることを確認した。さらに、複合体に含まれるRNAは複合体の構造維持に必須であることを示した。 トポIIに特異的な阻害剤etoposideでDNAとトポIIβを架橋させてから、トポIIβ抗体でIPすることにより、この酵素が実際にin vivoで作用したDNA部位を同定する方法(eTIP)を確立した。eTIPによれば、トポIIβが切断・再結合するDNA鎖(G-segment)のみならず、断端の間を通過するだけのDNA鎖(T-segment)を捕捉し、両者を区別できる。eTIPで回収されるDNAをショットガンクローニングとタイリングアレイを用いて解析した結果、トポIIβの作用点はゲノムの局所的GC含量と強い相関をもつことが明らかになった。現在までの成果から、トポイソメラーゼIIβが特定のゲノム領域に働き、一群の神経関連遺伝子の転写誘導を引き起こすというメカニズムが明らかになりつつある。
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Research Products
(15 results)