2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞核内部アーキテクチャーの分子構築とクロマチン機能制御メカニズム
Project/Area Number |
16084201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 昌彦 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 准教授 (70218642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 研 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 教授 (70108158)
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Keywords | 細胞核 / クロマチン / アクチン関連タンパク質 / 転写誘導 / 神経細胞 / トポイソメラーゼII / 細胞分化 |
Research Abstract |
細胞核内の機能ドメイン構築の分子基盤解明を目的として、ヒトおよひ出芽酵母の細胞核に局在するアクチン関連タンパク質に対してポリクローナル抗体を作成した。これまでに、ヒトではhArp5, hArp6, hArp8、出芽酵母ではArp4, Arp5, Arp6, Arp8に対するポリクローナル抗体を得た。また、ニワトリDT40細胞を用いて、Arp6遺伝子を破壊したgArp6 KO細胞を作成した。この細胞を用いて、間期核内における染色体配置を観察したところ、正常細胞においてはmacrochromosomeが核の周辺部に、microchromosomeが核中心部に存在するのに対し、KO細胞ではこの配置がランダムになることが示された。 DNAトポイソメラーゼ2β(トポ2β)が実際にin vivoで作用しているDNA部位を同定する方法(eTIP)により、局所的にGC含量が異なる2種類の作用点(トポサイトc1とc2)が存在することを明らかにした。トポ2βが転写を誘導する遺伝子群(A1遺伝子)の一部は、ATに富む長い遺伝子間領域(LAIR)に隣接しているが、このようなA1遺伝子の内部と、隣接するLAIRの内部にはトポサイトc2が多く、LAIRが隣接する遺伝子に対して及ぼしている抑制的な位置効果を、トポ2βが解除することにより、転写が誘導されるという機構が考えられた。さらに、このような遺伝子(LA遺伝子)は共通した機能をもつ遺伝子群であり、対立遺伝子の片方しか発現しないようなものが多いことから、トポ2βは何らかのepigeneticな発現調節にも関わっていることが示された。
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Research Products
(19 results)