2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞核の高次構造動態 : ナノスケールイメージングによる解明
Project/Area Number |
16084203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹安 邦夫 Kyoto University, 生命科学研究科, 教授 (40135695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 成弘 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (90346106)
堀米 恒好 新潟大学, 理学部, 教授 (60053352)
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Keywords | 核内構造タンパク質 / 核膜孔 / 核膜再構成 / マトリックス / 核小体 |
Research Abstract |
(1) 新しいナノスケール解析法の開発として、高速AFMの応用法の確立をした。また、GSH-ポリエチレングリコールリンカーを用いた「AFM-カンチレバーの修飾法」を確立し、この系を用いて、核膜孔複合体とインポーチンとの間の結合力、ラミンB受容体とクロマチンどの結合力も測定した。 (2) 核内構造に寄与するタンパク質が多く含まれている細胞核マトリックス画分の構成タンパク質をプロテオーム解析で網羅的に調べ、45種の新規タンパク質を同定した。この画分は、ゲノム全体と比べて、しばしば超タンパク質複合体の骨格タンパク質として見出される、WD repeatsを持つタンパク質とdisordered領域を多く含むタンパク質(DOタンパク質)を高率で含むことを明らかにした。また、機能未知タンパク質BXDC1とEBNA1BP2の機能と動態を解析し、これらのタンパク質がリボソーム形成においてdynamic scaffoldとして働いていることを明らかにし、これらの結果を基に新しい核マトリックス構造モデルとして"Dynamic scaffold-based model"を提案した。 (3) アフリカツメガエル卵抽出液の系での解析により、核膜内膜タンパク質のラミンB受容体(LBR)とエメリンの分裂期におけるリン酸化を詳細に調べ、クロマチンからの解離機構を明らかにした。また、エメリンとの機能的相同性が示唆され、かつヒトから線虫まで保存されているMAN1の細胞周期依存的リン酸化状態の解析を行った。MAN1-Nは合成期、分裂期ともリン酸化され、MAN1-Cは分裂期のみ弱くリン酸化された。In vitroのBAF結合実験から、MAN1-Nの分裂期におけるリン酸化が、MAN1-NとBAFの結合を抑制することが明らかになった。
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Research Products
(8 results)