2007 Fiscal Year Annual Research Report
核膜孔複合体の分子動態と核-細胞質間タンパク質輸送制御
Project/Area Number |
16084204
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米田 悦啓 Osaka University, 生命機能研究科, 教授 (80191667)
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Keywords | 核膜孔複合体 / ヌクレオポリン / 核蛋白質輸送 / 原子間力顕微鏡 / 筋分化 / 核外輸送シグナル / 細胞核 |
Research Abstract |
本研究課題では、細胞核の重要な高次構造の1つである核膜孔複合体に焦点を当て、この複合体の重要な機能である核-細胞質間蛋白質輸送の制御を指標にして、その分子構築ならびに分子動態を明らかにすることを目的とする。本年は、核膜孔のダイナミックな動態を解析するための実験系として、主として細胞分化の観点からの研究を進めてきた。具体的には,筋芽細胞であるC2C12細胞を用い、細胞を未分化状態で増殖を続けさせた場合と分化誘導させた場合とで比較した場合、核膜孔複合体がどのように変化するか、また、変化するのであれば、その動態を個々のヌクレオポリンに着目して解析するとともに、発現量、局在が変化するヌクレオポリンがあるかどうかを網羅的に解析を進めた。 その結果、C2C12細胞を血清除去により筋細胞に分化させた場合、 mRNA輸送に関わると思われるヌクレオポリンの多くの転写量が低下することがわかった。核膜孔に富んだ分画を調製することにより、蛋白質のレベルで変化するヌクレオポリンがあるかどうかについて解析を進めている。一方、分化誘導によって、蛋白質の核外輸送に関わる因子であるCrm1が核膜孔に強く局在することがわかった。現在、mRNAや蛋白質の核外輸送に変化があるかを解析しているが、富口イシン型核外輸送シグナルを持つ蛋白質の核外輸送効率が、分化細胞では増加していることを示唆するデータを得ている。また、本年度は、新たに、原子間力顕微鏡を用いて、核膜孔の構造変化も解析したところ、分化に応じて核膜孔の直径が大きくなることを発見した。
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Research Products
(12 results)