2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16084205
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田代 聡 Hiroshima University, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20243610)
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Keywords | 細胞核 / 核内ドメイン / イメージング |
Research Abstract |
本年度は、ゲノム修復蛋白質RAD51を過剰発現されたときに形成されるバンドル状構造体の局在とその形成機構の解析を行った。クロマチンをヒストン脱アセチル化酵素や低浸透圧で処理したところRAD51バンドル状構造体の直径が縮小し、この構造体の形成にクロマチン構造が関与している可能性が示唆された。一方、RAD51バンドル状構造体は、非クロマチン核内ドメイン核スペックルやCajal小体とは局在が一致しなかったが、PMLボディはRAD51バンドル状構造体の中に存在していた。PMLボディの形成にはSUMO化蛋白質修飾が重要な役割を果たすこと、またRAD51はSUMO-1との相互作用が報告されていることから、RAD51バンドル状構造体とSUMO化修飾の関連が示唆された。このためRAD51のSUMO-1との相互作用がない変異体を作成しその局在を解析したところ、RAD51はバンドル状構造体を形成しなかった。これらの結果から、核内にはSUMO化修飾を受けた蛋白質が集積しやすいクロマチン間領域が存在することが示唆された。さらに、紫外線レーザーマイクロ照射法を用いた解析では、ゲノム損傷によりバンドル状構造体内のRAD51の入れ替わりが促進されること、SUMO-1との相互作用がないRAD51変異体はゲノム損傷部位に集積できないことが明らかになり、ゲノム損傷領域へのRAD51の集積にもSUMO化修飾が関わっていることが示唆され、現在論文投稿中である。また、共同研究としてゲノム修復に関連する蛋白質hArp 5とFANCIの局在動態解析などを行い、Exp Cell ResおよびNat Str Mol Biol誌に報告した。
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Research Products
(17 results)