2006 Fiscal Year Annual Research Report
核スペックルの機能と分子構築:mRNAのスプライシングと核外輸送における役割
Project/Area Number |
16084206
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
谷 時雄 熊本大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (80197516)
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Keywords | mRNA / 核スペックル / 蛍光イメージング / SF2 / スプライシング因子 / 阻害化合物 / 選択的スプライシング / 放線菌培養上清 |
Research Abstract |
核スペックルの形成を阻害する天然化合物を分離することを目的として、スプライシング因子SF2の核スペックル局在に影響を与える放線菌培養上清のスクリーニングを進めた。HeLa培養動物細胞に放線菌培養上清を添加し、60分後に抗SF2抗体を用いた蛍光イメージングで核スペックルを可視化することにより、核スペックル形成への放線菌培養上清に含まれる化合物の影響について、蛍光顕微鏡を用いたビジュアルスクリーニングを行った。2016種類の放線菌培養上清についてスクリーニングを完了した結果、核スペックルからSF2が拡散する、核スペックルの形状が肥大化するなど、核スペックル形成に様々な影響を与える15種類の候補培養上清を得た。これらの候補培養上清は、SF2の核スペックル動態以外にも、mRNAの核スペックルへの局在や、スプライシング因子SC35、核小体タンパク質フィブリラリンの核内分布にも様々な影響を与えた。更に選択的スプライシングが行われる遺伝子について、RT-PCRによってスプライシングパターンを解析した結果、培養上清を添加すると、エキソンスキッピングがされなくなるなど、選択的スプライシングのパターンが変化する培養上清も見出された。今後は、これらの放線菌培養上清から、核スペックルの形成やスプライシングの反応に影響を与える活性化合物を精製し、分子構造を決定する予定である。また、それら阻害化合物の細胞内標的因子の同定を進めて、核スペックル形成の分子機構を解明するべく研究を展開する。
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