2008 Fiscal Year Annual Research Report
染色体分配に必須なセントロメアの核内機能構築の分子基盤
Project/Area Number |
16084207
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
高橋 考太 Kurume University, 分子生命科学研究所, 教授 (40303804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深川 竜郎 国立遺伝学研究所, 分子遺伝学研究系, 教授 (60321600)
石井 浩二郎 大阪大学, 大学院・生命機能研究科・染色体機能制御研究室, 特任准教授 (40360276)
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Keywords | セントロメア / 染色体 / CENP-A / 分裂酵母 / 細胞周期 |
Research Abstract |
染色体分配に必須なセントロメア複合体形成機構、染色体機能発現に重要なRNAi装置及びヘテロクロマチン、発癌防御に重要なチェックポイント機構等について、分裂酵母と高等動物細胞を用いて研究を進め、以下の結果を得た。(1)スピンドル・セントロメア間の結合と姉妹セントロメア間の張力の状態を、それぞれDASH複合体とBub1が監視、その情報をMad2局在に伝えることでチェックポイントの発動を制御するというモデルを、分裂酵母で検証した。(2)CENP-A局在化因子である分裂酵母Ams2のS期特異的分解制御機構を解明した。(3)人為的に分裂酵母のセントロメア破壊を誘導、そのサバイバー細胞の核型がテロメア融合型とネオセントロメア形成型の2つに分類できること、その核型決定にヘテロクロマチン構造が重要な役割を担うことを示した。(4)分裂酵母セントロメアのヘテロクロマチン領域に由来するノンコーディングRNAとRNAiエフェクター複合体RITSの直接結合を解析、それがRITSに含まれるsiRNA依存的な反応であることを示した。結合に対するノンコーディングRNAの配列特異性について、siRNAを介在としないRITS結合の可能性を見出した。(5)ヒト正常細胞の老化に伴いセントロメア構造が変化すること、その構成複合体のひとつがSAHFという老化特異的な染色体構造の形成過程に必須であることを示した。(6)CENP-H/I複合体に含まれるCENP-Oクラス蛋白質は、受精直後の細胞の染色体には存在せず、細胞分化に伴って染色体に結合すること、CENP-Oクラス蛋白質のノックアウトマウスを作成した結果、マウスはE6.5で細胞分裂異常を伴って死滅すること等がわかった。さらにニワトリDT40細胞を用いて各種のキネトコア蛋白質の解析も行い、CENP-T/Wという新しい複合体を発見した。
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Research Products
(17 results)