2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16084208
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
原口 徳子 National Institute of Information and Communications Technology, 第一研究部門・未来ICT研究センター・バイオICTグループ, 主任研究員 (20359079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 泰 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10359078)
古川 和広 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (40229109)
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Keywords | 核膜 / クロマチン・染色体 / 細胞核 / 細胞増殖 / ダイナミクス / 生体分子イメージング / 細胞生物学 |
Research Abstract |
本研究は、細胞核の機能維持に重要な構造体として核膜と染色体に注目し、その構造とダイナミクスの解明を主な目的としている。そのため、核膜と染色体の双方に結合する生体因子としてBarrier-to-Autointegration Factor(BAF)やlaminAなどの核膜因子に注目し、ヒト細胞やショウジョウバエを用いて、その細胞内動態と機能の解析を行った。ヒト細胞として各種がん細胞や正常細胞を用いて、細胞内のBAF局在と細胞周期の関係を調べた。さらに、RNAiによりBAFを細胞から取り除いた時の影響を調べた。その結果、核内に存在するBAFは、細胞周期のS期に何らかの役割があることが分かった。この結果は、BAFが細胞増殖に必要な理由や、ある種の癌でBAFの量が増加している理由を説明するものである。発生・増殖・分化における核膜構造のダイナミックな変化に関しては、ショウジョウバエを用いて検討した。ラミンを発現していないショウジョウバエを用い、核ラミナの形成をin vivoで経時的に解析した。その結果、AタイプとBタイプラミンでは、核ラミナ形成の動態が大きく異なっており、お互いに相互作用することなく、それぞれが独立して核ラミナを形成することがわかった。Aタイプラミンの変異は、筋ジストロフィーや早老症などの遺伝病の原因となる。今回の発見は、Aタイプラミンの変性が組織特異的な遺伝病の原因になり、Bタイプがならない理由を説明するかもしれない。
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