2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネの窒素情報伝達と代謝に関わる未熟非緑色器官におけるプラスチド機能の解明
Project/Area Number |
16085201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山谷 知行 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30144778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 俊彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60261492)
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Keywords | イネ / グルタミン情報伝達 / 窒素転流 / プラスチド機能 / 遺伝子破壊 / グルタミン合成酵素 / QTL解析 / トランスクリプトーム |
Research Abstract |
イネにおける窒素転流は、成育や生産性に直接関わる。老化器官からの窒素転流と、若い器官における窒素再利用に関わる高次機能に焦点をあて、特にグルタミンを情報物質とした情報伝達系の分子実体の解明と、個体としての窒素利用効率向上戦略に関わる高次機能発現の分子基盤を確立することを目的に、本年度は以下の成果を得た。 1.イネにおいてGln情報伝達系に関わることが期待されるPII様タンパク質に着目し、研究を進めた。PII様タンパク質遺伝子は1コピーであり、遺伝子産物は葉緑体に局在していた。PII様タンパク質と相互作用するタンパク質を、酵母ツーハイブリッド法で検索した結果、PII様タンパク質そのものと、N-アセチルグルタミン酸キナーゼ(AGK)が同定された。AGKタンパク質も葉緑体に局在していることを確認し、in vivoでも相互作用することが期待された。現在、RNAi法によるノックダウンイネを作出し、トランスクリプトーム解析を進めている。 2.イネの老化器官からの窒素転流に重要な機能を持つと考えられるサイトゾル型グルタミン合成酵素遺伝子(OsGS1;1-1;3)の発現を調べ、特に葉身で発現が高いOsGS1;1遺伝子破壊変異体をTos17ミュータントパネルから複数得た。この変異体は、極めて異常な表現型を示し、また同遺伝子を変異体に導入することで、表現型は相補されることが判明した。 3.コシヒカリを遺伝背景として、第2染色体の一部約40cMがインド型イネKasalathに置換された系統C-22を用いて、QTL解析で観察されたGS1タンパク質含量や穂数に関する表現型が実際に検出されることを、ガラス室ならびに圃場での栽培で示した。
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Research Products
(3 results)