2005 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体品質管理による植物細胞機能分化の制御-有性生殖を中心にして
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16085202
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西川 周一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10252222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 斗志也 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70152014)
吉久 徹 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教授 (60212312)
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Keywords | 小胞体 / 分子シャペロン / 品質管理 / 有性生殖 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
本研究は,小胞体品質管理の分子装置である小胞体分子シャペロン,特にHsp70ファミリーのBiPに着目して,植物細胞機能の分化と制御における小胞体品質管理の役割を明らかにしていくこと,を目的とする。本年度は,シロイヌナズナBiP欠損変異体の構築と解析を行った。シロイヌナズナゲノムには3つのBiP遺伝子(AtBiP1,AtBiP2,AtBiP3)が存在し,このうちAtBiP1とAtBiP2は通常の生育時に発現している。各AtBiP遺伝子の欠失変異株は生育可能であり,これらの機能は重複していることが示された。2重変異株の作製を行ったところ,AtBiP1とAtBiP2を同時に欠損する変異株は得られず,AtBiP1とAtBiP2の2重欠損によって雄性配偶体致死となることを示唆する結果が得られた。同様の結果が,平成16年度に作製した,LAT52プロモーターによってBiP変異体を花粉で発現するシロイヌナズナの形質転換体の解析によっても示された。また,花粉管伸長実験による解析の結果,BiPの機能が欠損しても花粉は発芽し花粉管を伸長するが,花粉管が雌しべ柱頭と花柱を通過する過程に欠損が生じることが示された。 本研究では,BiPのパートナーとして機能する小胞体Jタンパク質のシロイヌナズナホモログの解析も行った。本年度は,これらタンパク質に対する抗体を作製し,これを用いてこれらのJタンパク質が小胞体に局在することを細胞分画等によって示した。また,シロイヌナズナの花粉管中の様々なオルガネラをGFP融合タンパク質を用いて可視化する植物体の作製も行い,これまでに花粉管中の小胞体,ゴルジ体,ミトコンドリア,プラスチドを可視化できる形質転換植物を得た。
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Research Products
(4 results)